「上池台の家」は子供4人が暮らす大所帯の家です。回遊式になっている動線は子供たちにとっては格好の遊び場になります。
その動線の一部に、ライブラリーと名付けられたスペースがあります。中庭に面してデスクと本棚がしつらえられ、天井が丸くドーム型になっていて、特別な雰囲気になっています。
もともと、たんに通過するだけの廊下にしてしまうのはもったいないから、なにか良い雰囲気のスペースにできないだろうか、ということからじわりじわりとできあがってきたスペースなのですが、できあがってみると、家のなかでも最も異質な場所になりました。
バタバタと室内を走る子供たちも、ここだけは走るのが禁止だとか。ここは図書室です。図書室では静粛にしてください。そんな風にお母さんに注意を受け、そっか、ここはトショシツだからしずかにしないといけないんだよね、と子供たちどうしで気を付けあっているのでしょうか。
家のなかに、そんな不思議なゾーンがあるのは素敵だなと思います。