外壁の趣き

2020-11-04 21:27:38 | 自由が丘の家


進行しているいくつかの現場で、外壁の色をどうするか打合せをしています。
色だけでなく、素材もいろいろです。
左官塗、吹付、金属板などなど。
多くの場合で話題に上がるのが、経年でみすぼらしくなっていかないこと、メンテナンスが大変でないことです。
それは当然その通りですね。
外壁は雨風に晒されますから、必ず汚れていくものですが、汚れてもそれが馴染むような外壁になるといいですね。
家ができあがった時が一番よかった、というのではなく、だんだんと風合いを増してくる雰囲気にしたいものだと思います。

そんなイメージを先鋭化させていくと、建材メーカーから発売されている外装材では、どうも物足りなくなってしまう感覚もあります。
そうしてつくった家の外壁が上の写真。
これは黒漆喰といわれる左官塗材で、漆喰に黒い灰墨が混ぜてあるものです。
雨風に晒されて、だんだんと灰墨が落ちて、削げ落ちたような表情になっていきます。

長年暮らした家の建て替えで、すべてを新しくするのではなく、ずっと流れてきた時間と記憶につながるように、古い庭木や家具や道具を残し、新しい家でありながら、ずっと以前からそこにあったような雰囲気をつくりたいと思ったのです。

コメント
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