
新緑の季節の光景を写真におさめたく「大磯の家」の撮影に伺いました。
この日の天気は雨交じりの曇り空。静かで、しっとりとした落ち着いた雰囲気。新緑の緑がより鮮やかに引き立って見えました。
暮らしの場の中心として、庭に寄り添うようなダイニングがいいなあ。
家の設計にあたり、施主からはそんなふうなリクエストをいただいていました。
デザインの方針を決めていくときに、コンセプトを打ち立てて言葉で進めていくことも大事だけれども、経験的に培ってきた素材を選ぶ感覚や寸法感覚がやはり要になるのだと思います。
この日は、植栽がはいって初めてダイニングにゆっくり座って過ごしました。
鳥の声が聞こえる。
仄かに雨音。
濃色に塗られた窓枠越しに、新緑がぐっと迫ってくる感じ。
造園家が丹念に植えた優しい雰囲気の草花。
アンティークの家具。
天井に宿る陰影。
そんなひとつひとつが、この場所で過ごす居心地の良さと安堵感につながっていくように思いました。
窓辺の本棚には絵本がたくさん入っていて、いずれお孫さんが来た時に賑やかになるのを待っているよう。
施主のセルフビルドによるバーべーキュー台もあったりして、これからの楽しい生活に開かれています。
今後は、晴れた日にも来て、木漏れ日を体験してみよう。