ニューヨークを訪れたときに、ここは素晴らしいなと胸躍った場所がありました。それはハイラインと呼ばれる「空中散歩道」です。
昔、貨物輸送のための高架線となっていたところが、時代の変遷で廃線となり、荒廃し、植物が繁茂し、治安も悪くなり・・・
いわばニューヨークのお荷物のようになってしまったそうですが、その空間性こそ魅力だとして再開発し、都市公園として整備されたものだそうです。
廃線跡が歩道として整備されているのですが、そのデザインが素晴らしく、明るくキレイにし過ぎないところがポイントです。
倉庫街やビルの裏側をうねうねと道は続き、かつてそうであった雑草が繁茂した退廃的な雰囲気もいい感じで再現されているのです。
ニューヨークは街全体としてみると、現代的というよりも古典的、クラシックな雰囲気が多勢を占めます。
まだ現役の木製の高架水槽、レンガ積のビルの外壁、分厚い木の窓枠・・・。
素朴な材料が今でも残り、個性を主張するというよりも、調和があります。
ハイラインを歩いていると、そんな素朴な街並みの風情を間近に感じられるのも楽しいところ。
残したいものがたくさんある。そんなふうに思える街は素敵ですね。