10/29(日)、奥州市水沢区黒石にある「竜門の滝」を訪れたとき、滝の上り下り階段のそばに「ヤブタバコ(藪煙草)」が花を咲かせていました。
この植物は、平安時代から知られていた草で、その名前は時代とともに変わっていったそうです。
古名は「波末太加奈(はまたかな)」、江戸時代初期には「猪尻草(いのしりぐさ)」の名前が加わったという。
江戸時代中期になって、「大和本草(やまとほんぞう)」に「ヤブタバコ」の名前が登場するとのこと。この頃になると、タバコ(煙草)が普及し、タバコの葉やキセル(煙管)を知る人が多くなったため、古名などは忘れ去られ、「ヤブタバコ」の名前が定着したとのこと。
ヤブタバコ(藪煙草)キク科 ヤブタバコ属(またはガンクビソウ属)Carpesium abrotanoides
人家近くのヤブ(藪)や山道沿いの草むらなどに自生する1~2年草で、高さは50~100cmほどになる。太い茎は途中で放射状に枝分かれする。1回枝分かれした枝は、再び枝を分けず、真っ直ぐに伸びる。茎の下部の葉は長さ20~30cmの長楕円形で互生する。上部の葉は小さい。
9~10月、枝(上部の葉のつけ根)に、まばらに多数の頭花がつく。黄色の頭花は直径1cmほどでキセル(煙管)の雁首に似る。花には柄がなく、頭花は筒状花だけでできていて、キセル(煙管)の雁首に似ている。
果実は粘液を出し、動物などにくっついて運ばれる。果実には臭気がある。分布:日本全土
和名は、ヤブ(藪)などに生えていて、茎の下部の皺のある葉がタバコ(煙草)の葉に似ていることによる。