peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

シキミ(樒)

2007年05月21日 | Weblog
一関市東山町のシキミ(樒)の花
 2007年5月14日




2007年5/14(月)、一関市東山町長坂にある住宅団地内を
歩いていて、今を盛りと花を咲かせている「シキミ(樒)」
を見つけました。枝を仏壇や墓に供えたり、葬式に使うこと
から、寺院や墓地によく植えられているということですが、
花を見るのははじめてのような気がします。
枝や葉には特有の香りがある。全体に有毒植物。





奥州市衣川区のシキミ(樒)の実 2006年9月30日



2006年9/30(土)、奥州市衣川区に行ったついでに、旧・衣川町
役場の近くにある「一首坂(いっしゅざか)」という史跡に行って
みました。

安倍貞任(あべさだとう)が鬼神のごとく源氏軍と戦ったと伝え
られている「前九年の役」の舞台(現地)です。

一族の固い団結のもと武力で圧倒していたが、出羽の清原一族の
参戦により形勢は逆転し、この地を逃れようとしたとき、源義家が
(下の句)「衣の舘はほころびにけり」と呼びかけたのに対し、
貞任が即座に(上の句)「年を経し糸の乱れの苦しさに」と和歌問
答したといわれる坂です。

この坂道のわきにある民家の庭に「シキミ(樒)」の実が沢山つい
ていました。







一関市厳美町のシキミ(樒)の実 2005年10月

一関市厳美町の厳美街道と呼ばれていた道を歩いていたら、
理髪店の前に果実を沢山つけたシキミ(樒)の木が4本あり
ました。女主人に聞いたら今は亡き父が植えたものだという
ことでした。

 
シキミ(樒)モクレン科 シキミ属
 Illicium religiosum、別名:コウノキ(香の木)、ハナノキ(花の木)
暖地の山地に生える常緑小高木ときに高木。枝を仏壇や墓に
供えたり、葬式に使うことから、寺院や墓地によく植えられ
ている。枝や葉を切ると抹香(まっこう)の匂いがする。
また樹皮や葉からは線香や抹香をつくる。全体に有毒で、特に
果実は猛毒なので注意が必要。

幹は直立し、高さは3~8m、ときに10mにもなる。樹皮は暗
灰色、若枝は緑色。葉は互生し、短柄があって葉身は長さ4~
10cmの長卵状披針形で、厚くて光沢がある。

花期は3~4月。枝の上のほうに集まってついた葉のつけ根に
直径2.5~3cmほどの淡黄白色の花をつける。細い花びらが10
~20枚よじれてつき、澄んだ香りがする。

花後に8~12個の袋果(たいか)がかたまってつく星形に並ん
だ集合果で直径2~3cm。

9~10月ごろ、袋果が熟して果皮が割れ、1個の袋果から黄褐
色の種子が1個ずつ顔を出す。
分布:本州(中南部)、四国、九州、沖縄

レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)

2007年05月21日 | Weblog
東山植物友の会のレブンアツモリソウ(礼文敦盛草)
 2007年5月12日



2007年5/12(土)、一関市東山町松川の松川公民館で開催中の
東山植物友の会(鈴木四郎会長)の山野草展を見に行ってきまし
た。「キバナアツモリ」と書かれた植物が展示されていました。

かなり濃い黄色の花をつけていましたので、もしかしてこういう
名の植物もあるのではないかと思って、「キバナアツモリ」でイ
ンターネット検索をしましたが、「キバナノアツモリソウ(黄花
の敦盛草)」しか出てきませんでした。
しかし、この植物は緑黄褐色の花をつけるので、これではない
ようです。
やはり「レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)」ではないかと思い
ます。





レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)ラン科 アツモリソウ属
Cypripedium macranthum var.rebunense
北海道の礼文島(礼文島)にのみ自生する野生のランで、
アツモリソウの変種。礼文島の海岸のやや湿った草地に生
え、草丈は25~40cm程度。

花の色は淡黄色・クリーム色で、5~6月に開花する。側弁花
は広卵円形で先が短く尖り、長さ3.5~5cmの袋状の唇弁を
抱きかかえるような姿が目立つ。

かつて島内各地で咲き乱れていたが、礼文島の大部分を
焼く大きな山火事が起き、木々に埋もれるように咲いて
いた花が人目に露出したため、盗掘に遭って数は激減し、
現在では北鉄府地区の保護区「レブンアツモリソウ群生地」
以外はほとんど見られないという。

1994年に「特定国内希少動植物種」に指定されており、
現在では許可なく採集・販売などはできない。しかし園芸
的に人気のある種類だけに、複数の民間業者が国の許可の
もとに人工増殖を手がけており、少数ながら安定した苗の
生産・供給がなされている。
ただし残念ながら、アツモリソウ同様に暖地での栽培はき
わめて難しく、これらの苗が一般普及するには至っていない。