peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

「和製グレープフルーツ」欧州で人気得られるか 河内晩柑 輸出へ 2022年2月19日(土)

2022年02月20日 | 気候、天気、季節の風物詩
欧州に輸出するための河内晩柑の木の剪定(せんてい)作業をする研修生=愛南町で2022年2月1日午前10時32分、斉藤朋恵撮影

2022年2月19日(土)発行「毎日新聞」”「和製グレープフルーツ」欧州で人気得られるか河内晩柑輸出へ”という見出しの記事が掲載されています。


”愛媛県は今春から、収穫量日本一を誇り、愛南町などで栽培される河内晩柑(かわちばんかん)を、全国で初めて欧州の3カ国に輸出する。県産かんきつは既にアジアなどに年間80トン以上輸出しているが、欧州向けの本格進出は初めて。富裕層が多く、健康に良い食材への関心も高い欧州に販路を広げることで、県産かんきつの世界的な地位向上も目指す。
なじみやすい名前に
 愛南町満倉にある約2ヘクタールのJAの研修用園地。段々畑には県の特産かんきつの河内晩柑の木々が並び、収穫が本格化する春を前に、大ぶりな黄色い実がなっていた。この中で約19アール分はドイツ、フランス、スイスへの出荷開始を目指しており、今後、輸出検疫検査などが佳境を迎える。
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 河内晩柑「和製グレープフルーツ」と呼ばれ、苦みが弱く、さっぱりした甘みと酸味が特徴だ。欧州では料理の香り付けとして高知県産のゆずが人気になった実績があり、愛媛県はゆずに似たさわやかな風味の河内晩柑も受け入れられる可能性があると考えた。
 欧州の生食用かんきつはオレンジが一般的で、日本のかんきつはなじみが薄い。このため、果汁をフランス料理の前菜に使うソースやスイーツに使うなど、現地の消費者の味覚に合う使い方で手に取ってもらい、生の果実でもおいしく食べられることを広める狙いだ。栽培を手がけるJAえひめ南・南宇和営農センターの源良行さん(63)は「食べておいしいと感じてもらえれば、欧州でも勝負できるはず。販路を確立し、常に一定量が売れるようになれば」と意気込む。JAが作った河内晩柑が現地で順調に売れれば、一般の農家が欧州向けの輸出品を手がける足がかりとなり、将来的には品種や対象国の拡大も望める。
 県が関与するかんきつの輸出は2009年度に始まった。輸出量の約6割を占める温州みかんの他、県オリジナルの紅まどんな、甘平、不知火(しらぬい)などの高級かんきつも販売するように。20年度には香港、マレーシアなどアジアを中心とした7カ国・地域に輸出するようになり、輸出量は年83・5トンと12年間で14倍以上に。国外でも愛媛産の味の良さが認識されつつあるという。
 アジア向けには、すでに一般農家も輸出用かんきつを手がけている。伊方町の瀬戸地域で農家を営む増田慶庫(けいこ)さん(47)は、約3年前から台湾向けに不知火清見オレンジの輸出を始めた。最盛期と同じ高い品質で長く出荷できる独自の栽培技術を生かして販売。「『(現地でもかんきつがあまり出回らない)6月以降も果汁たっぷりの生の果実を食べることができて感激している』などうれしい言葉をもらえる」と確かな手応えを感じており、欧州を含む他国への進出にも意欲を見せている。
 県は「河内晩柑」に変わって欧州の人々になじみやすい名称を付け、まずは春に数十キロを輸出する予定だ。県ブランド戦略課は「将来的な国内の人口縮小を見据えても、販路の確保は農家にとってメリットが大きい。対象国の拡大など今後もいろいろなチャレンジをしていく」と語った。【斉藤朋恵】
厳しい輸出検疫条件
 河内晩柑の欧州への輸出に向け、障壁となるのが他国と比べて厳しいEUの輸出検疫条件だ。ミカンバエなどの発生リスクを調べる検査は合格のめどがほぼたったが、実際の栽培には苦労が多い。
 欧州用の園地では、残留農薬規制をクリアするため、かんきつ類がかかりやすい黒点病に効果的な農薬は限られた種類しか使えず、防除の効果が出にくい。この影響で黒点病にかかり果実に黒い部分が目立ってしまうと生では売れず、果汁にして売ると価格が下がってしまう。
 さらに、使える農薬の種類が違うことから、欧州用では現状、農薬散布用の機械を使うことができず、手作業で薬をまいている。今後、継続して輸出していくには、使える薬剤の種類や量、方法などを探る必要があり、JAの職員らが試行錯誤を続けている。"