2010年10月17日(日)、千厩野草会(会長・金野昌敏)主催の「千厩秋の山野草展」が千厩ショッピングモール・エスピア(一関市千厩町千厩字東小田)で開催中でしたので、見に行ってきました。会員が丹精込めて育てた山野草が100鉢以上展示されていましたが、それらの中に「シャジン」とだけ書かれた植物が、6~7鉢ほどありましたが、白花のものは1鉢だけだったような気がします。これらのシャジンは、イワシャジンによく似ていますが、イワシャジンの高山型の変種ホウオウシャジン(鳳凰沙参)だと思います。
ホウオシャジン(鳳凰沙参) キキョウ科 ツリガネニンジン属 Adenophosa takedae var.howozana
南アルプス鳳凰三山の岸壁に垂れ下がって生える多年草。イワシャジンの高山型で、丈は低く5~17㎝。葉は細長く、少し厚い。鐘形で紫色または白色の花を総状花序につける。萼片は糸状で上方に反り返る。和名は鳳凰沙参(ほうおうしゃじん)。鳳凰は産地名、沙参はツリガネニンジンの漢名。属名はaden(腺)とphoreo(有する)の2語からなり、花柱の基部を取り巻く蜜腺に由来する。花期:8~9月。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の野草」より]
イワシャジン(岩沙参) キキョウ科 ツリガネニンジン属 Adenophora takedae
本州の東北地方から関東地方の山地の湿り気のある岩場や崖などに生える多年草。茎は細く長さ20~70㎝で垂れ下がる。葉は互生し、披針形または広線形で縁には鈍い鋸歯がある。秋(9~10月)、細い花柄の先に8~10個ほどの花が総状花序につき、長い花柄がある。花冠は鐘形で普通紫色だが、清楚な白花種も広く流通している。花柱は花冠から出ない。萼片は5個、線形で縁には腺に終わる鋸歯がまばらにある。大株では100輪近くの花をつけることもある。山草として扱われる。花期:9~10月。分布:本州(東北地方、長野、山梨、神奈川、静岡、愛知県)。
近縁種にホウオウシャジンvar.howozana、ミヤマシャジンA.nikoensis var.stenophylla、ツリガネニンジンA.triphylla var.japonica、ソバナA.remotifloraなどがある。
栽培:春・秋は風通しのよい日当たり、梅雨頃から雨の当たらない涼しい半日陰で管理し、冬は軒下などで凍結から保護する。肥料は春・秋に置き肥を与えるほか、液肥も併用して肥培する。植え替えは毎年か隔年の発芽前に行い、エゾ砂・硬質鹿沼土・軽石の混合土などで深鉢に、細い根を切って水はけ良く植え付ける。増殖は株分け、挿し芽、実生による。株分けでは切り口に癒合剤を塗って腐敗を防ぐ。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の野草」&栃の葉書房発行「山草図鑑」より]
http://blog.goo.ne.jp/pea2005/e/eff084ab53aa52e89bd13b15239e7eaa[peaの植物図鑑:ホウオウシャジン(鳳凰沙参)]