ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

世界ふれあい街歩き

2008年05月05日 | Weblog

割と楽しみな番組「世界ふれあい街歩き」で、フランス
のモンペリエが取り上げられていた。
やってっれば、まず見るという番組である。
で、今回はプロヴァンスの「モンペリエ」である。

スペインの「サンチアゴ.デ.コンポステーラ」に向かう、
聖地巡礼のコースの一つが「モンペリエ」を通るとい
うことで、その道標となっている「ホタテ貝」を辿り
ながら街の表情を見せるという趣向だ。
この番組の良いところは、その街の普段の顔を見るこ
とができるというその一点だ。
良くある旅番組とは一線を画す。
センス悪いタレントが、ブランド物を買い漁り三ツ星
レストランで食事とか、はたまた、若くて無知なタレ
ントが、幼稚な反応を繰り返し、最後は泣いてお終い
という100パーセント作られた番組とは違い、我々
がその街を本当に歩いているかのような錯覚を味わせ
てくれる(テレビ撮影という特権による不自然さは勿
論あるが)。
それと、自然にその街の文化を知ることが出来るのも
良い。
今回は、聖地巡礼のコースが四つもあることを初めて
知った。
それと、「モンペリエ」には関係ないが、聖地が「聖ヤ
コブ」に由来することも。

聖地巡礼は、映画にもよく取り上げられる。
ブニュエルの「銀河」がそうだ(好きな映画だが、何
故かバイヨンヌのハムが印象的)。
最近では「サンジャックへの道」というのがあったは
ずだ。
見てないが、大体巡礼を題材にすると、「再生の物語」
となるのだが。
日本であれば「四国お遍路旅」。
視覚化された「再生の物語」がその道そのものだ。
そんなことはどうでも良いが、このサンジャックという
のはフランス語で帆立貝のことを指す(コキーユ.サン
ジャック)。
それで冒頭の道標で「ホタテ」か、ということにもなる
のだ。

「モンペリエ」は、古い街並みが残っていて、椰子並
木もあり独特な魅力を持った街である、という印象は
良く伝わってくる。
個人的には「医学校の街」というイメージを持ってい
たが(それ故大学生が多く、知的な街という)、その
学校も出てきた。
「ラブレー」「ノストラダムス」が在籍していたとい
うことだ。
こういう部分は「ほう」と感心するだけ。
しかし、その個人的なイメージはちょっと今は違うの
かとも感じた。
アフリカ系の移民がふえているのではないだろうか。
つまりモロッコとかチュニジアなどの。
街に、イスラム系の人が多いというのは素直な感想だ。
だから、以前の「学生の街」というのは薄れてきたの
ではないかと思われるのだ。
「マルセイユ化」しているのだとすると、従来の住民
からすると不満があるはずなのだが、街の風景を見て
るだけでは、推測の域を出ない。
番組も、そこは、旅人の視線に止まっている。
飽くまでも、気軽な街歩き。

考えようによっては、恣意的でない分より現実が見え
てくるということで、この番組は、問題提起を主旨と
した番組より遥かに優れているのかもしれない。
って、ちょっと考えすぎ持ち上げすぎか。
気軽に街歩き街歩き、っと。
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