ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

M氏の恥

2008年05月06日 | Weblog


スノッブなM氏がブレッソンの「たぶん悪魔が」のDVD
を返しに来た。
それではと、感想を聞いてみた。
M氏は「なかなか良かった」と一言。
そこで引き下がらず、しつこく、「本当に面白いと思っ
てるの?」と聞いた。
M氏は「こういうのは好きだよ」と言った。
ブレッソンの映画が本当に良いと思ってるのか疑問な
私は、更に「どこが良いの」と聞いた(本当にしつこ
い)。
すると、M氏は興味のある本音を漏らした。
「あの女優が良いんだよね」と。
そう言われてもこちらは、女優に関しては大して印象
に残っていないので、全くピンとこない。
バスの中で乗客が唐突に言う「たぶん悪魔が」という
シーンは、あまりに印象的ではあったが、女優ねえ。
それより、結局女優か、という身も蓋も無い意見では
ブレッソンも肩なしではないか、と思った。
映画の観方は人それぞれだ、とは言え、ブレッソンに
関してはちょっと意義あり、というのが本音である。
プロの俳優を使わないという基本スタンスからしても、
そういうある人間に思い入れをもたれるのは本意では
ないように思えるのだ。
でも、本人がそう思うのだから、仕方ないか。

それより、M氏が変なことを言ったのがちょっとした
波紋を呼ぶ。
映画の主演が、誰々の「ソマゴ」であるなどと言った
のだ。
「ソマゴ?何それ」ということに当然なる。
「孫の子供のことだよ」とM氏は答える。
「それって、曾孫のこと?」と言うと「ヒマゴとも言
うの」などととぼけたことを言う。
「だから、曾孫と書いてヒマゴだよそんなの常識だろ
う」と言った。
「えっ、そうなの」とM氏はびっくり。
それより、こっちがびっくりだ。
M氏は、ずっとソマゴだと思っていたらしい。
こういう場合、おもいっきり馬鹿にしてしまうのだが、
もちろんそうなった。
今まで、誰も訂正しなかったのか。
しかし、馬鹿にされても、正しい知識を得る方が本人
のためになる。
一生の恥より一時の馬鹿にされ、である。
これでM氏も、もう「ソマゴ」などと言うことは無い
だろう。

その後、話題は、M氏の花見の後に行った蕎麦屋のこ
とについてとなった。
コメント