しつこく「せんとくん」だが、あまりの不評ぶりに、
有志が、新たなキャラクターを公募するるという動き
に出たようだ。
それにしても、この嫌われぶりも凄い。
大方は、不気味という印象を持つようだが、個人的に
は「不気味」というより「ちょっと変」という感じを
受ける。
角を取れば「一休さん」みたいで、決して可愛くない
というものではない(古い漫画のセンスだが)。
しかし、一休さんに角が生えたらどうなるか。
元が漫画っぽい一休さんなので、シュール(芸術性を
感じさせる)な印象ではなく、やはり脱力的なチープ
な感じの「変」なのである。
絶対、愛すべきキャラクターにはなりえないが、一目
見たら忘れられないインパクトは持っている。
そう考えると、ある意味、強力なキャラクターである
と言える。
作者の意図がそういうことであるのなら、大成功だ。
だから名前も「ぬるぼう」にすれば良いのだ。
しかし、そうなると、文化的コードから逸脱するという
ことになってしまうのか。
カウンターカルチャーの世界だったら良かったのに。
いずれにしろこの先も、ちょっと「せんとくん」から
は目が離せない。
ところで、肝心の「遷都祭」に関しては、「せんとくん」
ばかりが話題になって、今ひとつ周知されていないの
ではないだろうか(私も含め)。
「平城京」(今は、教科書ではへいぜいきょうと発音ら
しい)に都が移ったのが710年で、その1300年記
念が2010年。
それに向けての記念祭ということらしい。
ということは、「せんとくん」もまだ2年は頑張れる
わけだ。
話は「せんとくん」ではなく「平城京」だ。
こういう記念ものには常に感じることだが、1300年
というのはそもそも記念なのか。
単に、100年単位で区切って勝手に記念にしている
だけのことだろうに、と思うが、そう言ってしまったら
記念という概念そのものが成立たなくなるので、13
00は記念ということで話は進めよう。
公式ホームページには次のようなことが載っていた。
「今年も5月3日(土・祝)、4日(日・祝)に、
平城宮跡において、『平城遷都祭』が開催され
ます。
都のスケール感が体感できる第一次朝堂院跡
「大和食の体験館」において、奈良が発祥であ
る酒、醤(ひしお)、葛餅づくり、なまなれず
しなどの食の体験や、「ものづくりの館」では、
木簡、竹水鉄砲、凧づくりなどいにしえの遊び
の体験、奈良の有名店を含む60店舗が出店の
「うまいもん・こだわりもん広場」、「天平衣
装記念撮影」など、五感で楽しめる内容です。」
どうやら毎年やっているお祭りのようだ。
ただ、「都のスケール感が体感できる」という表現は
如何なものか。
この場合、「スケールが体感」でいいだろうに。
また脱線しそうだ、話は「遷都祭」。
要するに、今ひとつ京都に比べ集客力が弱い奈良が
考えた起爆剤的イベントが、2010年の「遷都祭」
であるということのようだ。
京都に比べるとあまりに地味なのが奈良。
ここは一つ派手に、ということなのだろう。
その地味なところこそが一番の魅力でもあるのだが、
そういうのは集客力がないのも残念ながら事実。
間違いなく、2010年は観光客は増えるだろう。
しかし、奈良の良さを本当に味わう人がその中にどれ
ほどいるのかというのはかなり疑問だ。
「浄瑠璃寺」などはいつでも行きたいと思っているが、
人が多いと行きたくないし、観光とのバランスという
のは難しい問題である。