近所のkより「蝶情報」あり。
彼の仕事仲間(y君)からkに、「ほにゃららが発生
した」という情報を私のほうに伝えてくれということ
で、kが電話をかけてきたのだ。
そのy君は、八ヶ岳山麓に住んでいて、周りは林であ
るという事は聞いていた。
そして、いろんな蝶がいるということも。
そう言えば以前、直接情報を教えてくれるように頼んだ
ことがあったのだ。
その第一弾が今回だったというわけだ。
で、kにその「ほにゃらら」は何かと聞いてみた。
しかし、自然関係に興味のないkは、予想通り何も分
からない。
所謂、埒が明かないという状況だ。
まあ、何かが発生していることは間違いないのだから、
行くだけ行こうと決めた。
y君の家の場所をkに説明してもらい、大体の場所は
判った。
ちょくちょく登場する、ナポリピザの「フォルマッジョ」
の近くであることは、以前より知っていた。
天気も良さそうだし、条件的には問題ない。
それにしても「ほにゃらら」は何なのだろうか。
「ウラキンシジミ」には早すぎるし、この時期だと「ヒメ
シロチョウ」かな、と一応見当はつけたが。
車で近くまでいき、後は歩く。
そこは、八ヶ岳の高原地帯で開けたところだが、その
周辺は林となっていて、そのなかを林道のように道が
通っている。
舗装も途切れ、未舗装となるが、風通しが良く鬱蒼と
した感じはなく、環境的には中々良さそうなところだ。
散歩するには絶好の環境と見た。
暫く歩き、y君の家も分かった。
さて、目指す「ほにゃらら」はどこにいるのか。
この時点ではまだ特定されていない。
適当に、その林道を歩く。
ぽつんぽつんとログハウスっぽい家があるが、殆どは
林中心の平坦な散歩道といったところだ。
単純に気持ちが良いところである。
おまけに、林の中には小川が走っている。
トンボにも良い環境だ。
そう思って、道から外れ小川沿いに歩いてみた。
いたいた、「カワトンボ」系が。
全身、金属的に光るその姿。
陽光に照らされ、一段と存在感を増す。
「ニシカワトンボ」「ヒガシカワトンボ」のどちらか
だと思う(後で<ニシカワトンボ>と同定)。
スーパーマクロで、ぐっと寄れて写真は撮れた。
多分大丈夫、と思う。
とりあえず、収穫はありだ。
ところで「ほにゃらら」はどうなった。
このままでは「ほにゃらら」で終わってしまう。
ということで、わき道も探索。
すると、ちょっと怪しい影が。
「ツマキチョウ」(これは普通種)のメスのような、小
型の白い蝶が(モンシロチョウの半分くらい)ひらひ
らしていた。
ひょっとして「ヒメシロチョウ」か。
兎に角、止まらないと判らない。
その一頭を追いかける。
飛び方はゆったりなのだが、なかなか止まらない。
道を外れ、ちょっとした藪の中に入ったのを追いかけ
る。
そうしたら、やっとある花に止まった。
やはり「ヒメシロチョウ」であった。
この蝶を見るのは、実に小学生以来のことだ。
慎重に撮る。
これで、満足。
そんな満足感に浸りながら、帰り道を行くと、先ほど、
最初に目撃した場所の反対側に、なにやら白い蝶が10
頭近く飛んでいる。
全部「ヒメシロチョウ」だった。
こんなにいたのか。
藪まで入る必要は全くなかったということではないか
(そんなのが楽しかったりするのだが)。
それにしても、この辺の環境は貴重だ。
以前は、里山に普通にいたのだが、今では特定の場所
でしか見られない。
そんな場所のひとつが、この辺であるわけだ。
「ヒメシロチョウ」、漢字で書くと「姫白蝶」だが、
見ようによっては「蛾」にも見える。
興味のない人にとっては、なんだこの「蛾」みたいな
ものはで済まされそうだ。
ということで、写真はその時の「ヒメシロチョウ」。