ゲロメッティYの続き。いつにもまして上機嫌なのでその理由を聞くと、天皇杯「マリノス対松本山雅」の良い席のチケットをゲットできたからだと言う。その試合が行われるのは富山。おいおい、わざわざ富山までサッカーの試合を見に行くのか、と当然のこと思うが、Yはそういうことをするのである。まあ、好きでやってるわけなので、とやかく言うことでもない。しかし、そんなことで上機嫌になるというのも、何とも羨ましいというか....。
もう一つ、東京で観てきた映画のことも聞いた。それは園子温監督の「ヒミズ」だった。元々園子温は好ではないようなことを言っていたので何故?と思ったら、それぐらいしかやってなかったからだそうだ。そして感想を聞くと、「手持ちのカメラで、ヌーヴェルバーグを現代にもってくればこうなるんだと思いました、最後なんか感動しちゃいました」ところっと高評価に変わっていた。どうも、手持ちのちょっと不安定な映像だけでやられるようで、改めてYの基準の曖昧さを思う。
知らなかったが、「ヒミズ」というのは漫画で(漫画に関しては全く知らない)、もともとの意味は「日不見」と言って、日を見ないつまりモグラのことを指すそうなのだ。このことをYは得意そうに説明した。内容は、所謂青春小説のようなものらしい(Y曰く)。地中の何も見えない世界から、はれて世界に飛び出すという物語なのかとこちらは勝手に想像したが、果たしてどうなのだろう。園子温の原点回帰の映画です、とYはのたまった。