CJDではMRI所見が早期診断に有用である.孤発性CJD(sCJD)の場合,一番特徴的であるのは基底核の信号異常で,FLAIRやT2WI,プロトン画像にて尾状核や被殻における高信号病変を認める(ほぼ左右対称だが,10-20%の症例で非対称性のこともある).一方,variant CJD(vCJD)で有名なのは視床病変で,pulvinar(視床枕)signと呼ばれている.やはりFLAIRやT2WIにて高信号病変を呈する.そのほか急性期にはDWIやFLAIRで大脳皮質が高信号を呈するとか,大脳萎縮に関してはsCJDでは認められるが,vCJDでは稀であるとか,といったことが知られている.
今回,Neurology誌のNeuroImageの欄にsCJDの後頭葉病変に関する画像が2題並んでいる.1題目は51歳女性で2ヶ月間に急速に失明(皮質盲),小脳症状,ミオクローヌス,痴呆を呈した症例で,MRIではFLAIRおよびDWIで後頭葉病変(やや非対称)を呈し,一見するとposterior reversible leukoencephalopathyのように見える.逆に言えば,posterior reversible leukoencephalopathyの鑑別診断にsCJDを加える必要があるということになる.
2題目は70歳女性で,左半側空間失認,着衣失行,失計算,Balint症候群(視覚性注意障害,精神性注視麻痺,視覚失調)を呈し,臨床的にposterior cortical dementia (PCD)と診断された症例.T1WIで頭頂・後頭葉の対称性萎縮,DWIで後頭葉皮質に沿ったリボン状の高信号病変を認めている.すなわち,PCDの鑑別診断としてsCJDを挙げる必要があるわけである.
もちろんいずれの症例も14-3-3蛋白を見たり,経過を追ったりすれば最終的には診断がつく.しかし診断確定までの間に疾患が伝播する可能性もありうるわけで,早期に診断することが望ましいことは言うまでもない.sCJDでは後頭葉病変を呈しうることを認識しておく必要がある.
Neurology 65; 329-330, 2005
今回,Neurology誌のNeuroImageの欄にsCJDの後頭葉病変に関する画像が2題並んでいる.1題目は51歳女性で2ヶ月間に急速に失明(皮質盲),小脳症状,ミオクローヌス,痴呆を呈した症例で,MRIではFLAIRおよびDWIで後頭葉病変(やや非対称)を呈し,一見するとposterior reversible leukoencephalopathyのように見える.逆に言えば,posterior reversible leukoencephalopathyの鑑別診断にsCJDを加える必要があるということになる.
2題目は70歳女性で,左半側空間失認,着衣失行,失計算,Balint症候群(視覚性注意障害,精神性注視麻痺,視覚失調)を呈し,臨床的にposterior cortical dementia (PCD)と診断された症例.T1WIで頭頂・後頭葉の対称性萎縮,DWIで後頭葉皮質に沿ったリボン状の高信号病変を認めている.すなわち,PCDの鑑別診断としてsCJDを挙げる必要があるわけである.
もちろんいずれの症例も14-3-3蛋白を見たり,経過を追ったりすれば最終的には診断がつく.しかし診断確定までの間に疾患が伝播する可能性もありうるわけで,早期に診断することが望ましいことは言うまでもない.sCJDでは後頭葉病変を呈しうることを認識しておく必要がある.
Neurology 65; 329-330, 2005
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/book.gif)
ところで梶先生のところのDWI, T2WIに見えるのは私だけでしょうか?