今回のキーワードは,感染前からの身体症状を考慮しても感染後8人に1人がlong COVIDを呈する,嗅覚・味覚障害の88.2%が2年以内に完全に回復する,持続的な嗅覚障害やICU入室はCOVID後認知症の予測因子である,軽症患者で萎縮する眼窩前頭領域では脳損傷とアストロサイトの感染を認める,long COVIDの治療開発のためには脳血管系と免疫系を標的とする必要がある,long COVID患者の安全のためにエビデンスのない治療が行われることを監視する必要がある,です.
JAMA誌が long COVIDに対する米国大統領覚書を紹介しています.この文書は連邦政府に対して,3つのグループ,すなわち①long COVIDの症状で苦しむ人,②COVID-19にともなうメンタルな問題を抱える人(不安,うつ,不眠,強迫性障害,薬物過剰摂取など),③愛する人,友人,隣人を失って悲しんでいる人(例えば米国では20万人以上の子供が,少なくとも片親をCOVID-19で亡くしている)に対する支援とケアを提供し,診断と治療のための研究を行うよう求めています.我が国は海外に倣って行動制限を止めてしまいましたが,なんの対策も行わずに海外を真似れば上記の人々がただ増えるだけです.感染者数や死者数が圧倒的に多い米国や欧州の国々を真似る必要はないように思います.そして一般では議論されませんが,COVID-19の認知症の危険因子としてエビデンスも続々と報告されています.一時,否定的と考えられた脳への直接感染説も再燃しています.第41回日本認知症学会学術集会でもこの問題をシンポジウムで議論するよう,三村將大会長(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)よりオーガナイザーを仰せつかりました(11月25日午後開催).まだ我々は,神経向性(neurotropism)をもつこのウイルスの長期的な人体への影響を理解していません.感染を減らす政策が必要だと思います.
JAMA. Aug 3, 2022(doi.org/10.1001/jama.2022.14089)
◆感染前からの身体症状を考慮しても,感染後8人に1人がlong COVIDを呈する.
オランダからlong COVIDの頻度を,感染以前から存在していた症状を考慮し検討した前向きコホート研究が報告された.23の症状を縦断的に2020年3月から2021年8月の間に24回の測定した.COVID-19群4231人と対照者8462人をマッチングした.COVID-19群の診断90~150日後の症状は胸痛,呼吸困難,呼吸時の痛み,筋痛,味覚・嗅覚障害,四肢のうずき,喉のつかえ,暑さ・寒さを交互に感じるなどであった.診断後90~150日に,これら中核症状の少なくとも1つが中程度以上の重症度に増加した症例はCOVID-19群で21.4%(381/1782人),対照群で8.7%(361/4130人)であったことから,患者群の12.7%がCOVID-19に由来するものと考えられた.また個々の症状は女性でより重症で持続した.図1に頭痛,めまい,味覚・嗅覚障害,疲労を示すが,いずれも女性でより重度であるものの,症状により時間経過のパターンは異なる.女性で症状が重い原因として,性ホルモンや遺伝的背景に基づく痛み・身体感覚への感受性の違い等が推測されている.
Lancet 2022;400, 452-461(doi.org/10.1016/S0140-6736(22)01214-4)
◆嗅覚・味覚障害の88.2%が2年以内に完全に回復する.
COVID-19の発症時,4週間後,8週間後,6ヵ月後の軽症患者における嗅覚・味覚障害の有病率を以前報告したイタリアの研究チームが,同じ患者群168名(年齢中央値55歳,女性53.6%)における2年間の有病率と回復率を報告した.結果はベースライン,4週間,8週間,6ヶ月,2年目における自己申告による嗅覚・味覚障害の頻度は,64.3%,38.1%,17.3%,16.1%,8.3%であった(図2).PCR陽性後4週間以内に出現し,COVID-19に関連した嗅覚・味覚障害を呈した119人のうち2年後に完全に消失したのは88.2%,軽減したのは9.2%,症状の変化なしまたは悪化が2.5%であった.回復に6カ月以上かかる頻度は10.9%であった.
JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. Aug 4, 2022(doi.org/10.1001/jamaoto.2022.1983)
◆持続的な嗅覚障害とICU入室は認知症の予測因子である.
アルツハイマー病協会国際会議(the Alzheimer’s Association International Conference®;AAIC)2022において,COVID-19が認知症に影響を及ぼすという研究が報告された.まずアルゼンチンの研究チームは,60歳以上の成人766名(感染者88.4%,対照者11.6%)を前向きに1年間追跡し,一連の認知・精神テストを実施した.この結果,ロジスティック回帰分析で,COVID-19の初期の重症度ではなく,嗅覚障害の重症度(長期の持続)が認知障害を有意に予測することが示された.またシカゴのラッシュ・アルツハイマー病センターからの報告で,ICU入室は高齢者の認知症リスクを2.1倍増加することが報告された.
AAIC 2022(https://aaic.alz.org/releases_2022/overview.asp)
◆軽症患者で萎縮する眼窩前頭領域では脳損傷とアストロサイトの感染を認める.
米国ワシントン大学の報告.まずCOVID-19軽症患者81名(うち62名で嗅覚・味覚障害)のMRIにて,既報にもあるように眼窩前頭皮質の萎縮を確認した(図3上).このためCOVID-19で死亡した26人において,経鼻腔アクセスにより採取した眼窩前頭領域の脳組織を病理学的に検索した.5人に組織損傷を認め,全例でウイルス遺伝物質(N遺伝子)を認めた.全細胞の37%がスパイク蛋白陽性で,特にアストロサイトに多く認められた(図3下).アストロサイトへの感染を支持する根拠として,神経幹細胞由来のヒトアストロサイトはスパイク蛋白と受容体Neuropilin-1の相互作用を介して感染しうることを示した.感染アストロサイトは,エネルギー代謝,神経細胞のエネルギーとなる主要な蛋白質や代謝産物,神経伝達物質の生合成に変化が生じていた.さらに感染は神経細胞の生存率を低下させる分泌型(secretary phenotype)への変化を促した.以上より,SARS-CoV-2ウイルスが脳に到達してアストロサイトに感染し,その結果,神経細胞死と機能障害につながるというモデルが示唆された.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2022 Aug 30;119(35):e2200960119(doi.org/10.1073/pnas.2200960119)
◆long COVIDの治療開発のためには脳血管系と免疫系を標的とする必要がある.
Brain誌のeditorialで,long COVIDの神経症状をきたすメカニズムが解説されている.まず図4の四角で囲まれたことが生じる.①サイトカイン(TNF,IL-6やIL-1βなど)が上昇し,血管内皮細胞上のそれぞれの受容体を活性化する,②感染後に上昇した免疫グロブリンは,Gタンパク質共役型受容体に作用する自己抗体により細胞に直接作用すると同時に,補体の活性化を介して細胞に間接的に作用する,③古典的補体カスケードの活性化で膜侵襲複合体(MAC)が形成され細胞死が生じる,➃血管内皮細胞へのウイルスの直接感染によっても細胞死が誘導され,ウイルスメインプロテアーゼ(Mpro)が発現する.この血管内皮細胞の活性化や細胞死に引き続き,(I)マクロファージやT細胞を含む免疫細胞の浸潤,(II)アストロサイト・ミクログリアの活性化,(III)血液脳関門の破綻とそれに伴う血漿タンパクの漏出,(IV)血小板凝集が生じる.以上のようにlong COVIDの有効な治療開発のためには,脳血管系と免疫系を標的とする必要がある.
Brain 2022;145, 2242–2244(doi.org/10.1093/brain/awac211)
◆long COVID患者の安全のためにエビデンスのない治療が行われることを監視する必要がある.
Nature誌がFeatureのなかで,long COVIDの治療研究について議論している.問題点は大きく2つに分けられる.
1)Long COVIDの臨床試験は難しい.
long COVIDの病態はおそらく単一のものではなく,複数の原因が関わっている.このため有望な治療法でも,間違ったグループに投与されたということだけで臨床試験が失敗するおそれがある.またbrain fogや疲労などは客観的に評価することが難しく,また変動も激しいため臨床試験を行いにくい.
2)患者の安全のためにエビデンスのない治療が行われることを監視する必要がある.
臨床試験として,抗ウイルス剤,COVID-19ワクチン,コルヒチン,ステロイド,シロリムス,抗ヒスタミン薬,RSLV-132,抗うつ剤,血栓形成を標的とする薬剤カクテルなどが計画されている(図5).
重要なことはこれらの治療にはまだエビデンスがないことである.また副作用が問題となる薬剤もあり,これらの使用を監視する必要がある.外国では効果が実証されていない抗凝固薬を複数処方したり,血液透析を行ったりしている病院がある.また日本の例も紹介されている.咽頭の炎症を抑えるため塩化亜鉛を染み込ませた綿棒で喉を擦る,侵襲的な咽頭擦過療法を行い,疲労,頭痛,注意障害が改善したと対照群のない小規模試験により報告した研究である(Viruses. 2022 Apr 27;14(5):907. doi.org/10.3390/v14050907).患者を保護するために無作為化比較試験により効果を示した治療を行う必要ある.
→ 先日,テレビ局からLong COVIDに対するドネペジルの使用についてコメントを求められた.動物実験レベルでありエビデンスはないこと,また重篤な副作用も生じ,とくに心伝導障害,消化性潰瘍,気管支喘息の既往のある場合,リスクが高く,安易に使用できる薬剤ではないことを伝えた.患者は藁にも縋りたい状況であるからこそエビデンス未確立の治療薬の紹介は慎重であるべきである.
Nature. 2022 Aug;608(7922):258-260.(doi.org/10.1038/d41586-022-02140-w)
JAMA誌が long COVIDに対する米国大統領覚書を紹介しています.この文書は連邦政府に対して,3つのグループ,すなわち①long COVIDの症状で苦しむ人,②COVID-19にともなうメンタルな問題を抱える人(不安,うつ,不眠,強迫性障害,薬物過剰摂取など),③愛する人,友人,隣人を失って悲しんでいる人(例えば米国では20万人以上の子供が,少なくとも片親をCOVID-19で亡くしている)に対する支援とケアを提供し,診断と治療のための研究を行うよう求めています.我が国は海外に倣って行動制限を止めてしまいましたが,なんの対策も行わずに海外を真似れば上記の人々がただ増えるだけです.感染者数や死者数が圧倒的に多い米国や欧州の国々を真似る必要はないように思います.そして一般では議論されませんが,COVID-19の認知症の危険因子としてエビデンスも続々と報告されています.一時,否定的と考えられた脳への直接感染説も再燃しています.第41回日本認知症学会学術集会でもこの問題をシンポジウムで議論するよう,三村將大会長(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)よりオーガナイザーを仰せつかりました(11月25日午後開催).まだ我々は,神経向性(neurotropism)をもつこのウイルスの長期的な人体への影響を理解していません.感染を減らす政策が必要だと思います.
JAMA. Aug 3, 2022(doi.org/10.1001/jama.2022.14089)
◆感染前からの身体症状を考慮しても,感染後8人に1人がlong COVIDを呈する.
オランダからlong COVIDの頻度を,感染以前から存在していた症状を考慮し検討した前向きコホート研究が報告された.23の症状を縦断的に2020年3月から2021年8月の間に24回の測定した.COVID-19群4231人と対照者8462人をマッチングした.COVID-19群の診断90~150日後の症状は胸痛,呼吸困難,呼吸時の痛み,筋痛,味覚・嗅覚障害,四肢のうずき,喉のつかえ,暑さ・寒さを交互に感じるなどであった.診断後90~150日に,これら中核症状の少なくとも1つが中程度以上の重症度に増加した症例はCOVID-19群で21.4%(381/1782人),対照群で8.7%(361/4130人)であったことから,患者群の12.7%がCOVID-19に由来するものと考えられた.また個々の症状は女性でより重症で持続した.図1に頭痛,めまい,味覚・嗅覚障害,疲労を示すが,いずれも女性でより重度であるものの,症状により時間経過のパターンは異なる.女性で症状が重い原因として,性ホルモンや遺伝的背景に基づく痛み・身体感覚への感受性の違い等が推測されている.
Lancet 2022;400, 452-461(doi.org/10.1016/S0140-6736(22)01214-4)
◆嗅覚・味覚障害の88.2%が2年以内に完全に回復する.
COVID-19の発症時,4週間後,8週間後,6ヵ月後の軽症患者における嗅覚・味覚障害の有病率を以前報告したイタリアの研究チームが,同じ患者群168名(年齢中央値55歳,女性53.6%)における2年間の有病率と回復率を報告した.結果はベースライン,4週間,8週間,6ヶ月,2年目における自己申告による嗅覚・味覚障害の頻度は,64.3%,38.1%,17.3%,16.1%,8.3%であった(図2).PCR陽性後4週間以内に出現し,COVID-19に関連した嗅覚・味覚障害を呈した119人のうち2年後に完全に消失したのは88.2%,軽減したのは9.2%,症状の変化なしまたは悪化が2.5%であった.回復に6カ月以上かかる頻度は10.9%であった.
JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. Aug 4, 2022(doi.org/10.1001/jamaoto.2022.1983)
◆持続的な嗅覚障害とICU入室は認知症の予測因子である.
アルツハイマー病協会国際会議(the Alzheimer’s Association International Conference®;AAIC)2022において,COVID-19が認知症に影響を及ぼすという研究が報告された.まずアルゼンチンの研究チームは,60歳以上の成人766名(感染者88.4%,対照者11.6%)を前向きに1年間追跡し,一連の認知・精神テストを実施した.この結果,ロジスティック回帰分析で,COVID-19の初期の重症度ではなく,嗅覚障害の重症度(長期の持続)が認知障害を有意に予測することが示された.またシカゴのラッシュ・アルツハイマー病センターからの報告で,ICU入室は高齢者の認知症リスクを2.1倍増加することが報告された.
AAIC 2022(https://aaic.alz.org/releases_2022/overview.asp)
◆軽症患者で萎縮する眼窩前頭領域では脳損傷とアストロサイトの感染を認める.
米国ワシントン大学の報告.まずCOVID-19軽症患者81名(うち62名で嗅覚・味覚障害)のMRIにて,既報にもあるように眼窩前頭皮質の萎縮を確認した(図3上).このためCOVID-19で死亡した26人において,経鼻腔アクセスにより採取した眼窩前頭領域の脳組織を病理学的に検索した.5人に組織損傷を認め,全例でウイルス遺伝物質(N遺伝子)を認めた.全細胞の37%がスパイク蛋白陽性で,特にアストロサイトに多く認められた(図3下).アストロサイトへの感染を支持する根拠として,神経幹細胞由来のヒトアストロサイトはスパイク蛋白と受容体Neuropilin-1の相互作用を介して感染しうることを示した.感染アストロサイトは,エネルギー代謝,神経細胞のエネルギーとなる主要な蛋白質や代謝産物,神経伝達物質の生合成に変化が生じていた.さらに感染は神経細胞の生存率を低下させる分泌型(secretary phenotype)への変化を促した.以上より,SARS-CoV-2ウイルスが脳に到達してアストロサイトに感染し,その結果,神経細胞死と機能障害につながるというモデルが示唆された.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2022 Aug 30;119(35):e2200960119(doi.org/10.1073/pnas.2200960119)
◆long COVIDの治療開発のためには脳血管系と免疫系を標的とする必要がある.
Brain誌のeditorialで,long COVIDの神経症状をきたすメカニズムが解説されている.まず図4の四角で囲まれたことが生じる.①サイトカイン(TNF,IL-6やIL-1βなど)が上昇し,血管内皮細胞上のそれぞれの受容体を活性化する,②感染後に上昇した免疫グロブリンは,Gタンパク質共役型受容体に作用する自己抗体により細胞に直接作用すると同時に,補体の活性化を介して細胞に間接的に作用する,③古典的補体カスケードの活性化で膜侵襲複合体(MAC)が形成され細胞死が生じる,➃血管内皮細胞へのウイルスの直接感染によっても細胞死が誘導され,ウイルスメインプロテアーゼ(Mpro)が発現する.この血管内皮細胞の活性化や細胞死に引き続き,(I)マクロファージやT細胞を含む免疫細胞の浸潤,(II)アストロサイト・ミクログリアの活性化,(III)血液脳関門の破綻とそれに伴う血漿タンパクの漏出,(IV)血小板凝集が生じる.以上のようにlong COVIDの有効な治療開発のためには,脳血管系と免疫系を標的とする必要がある.
Brain 2022;145, 2242–2244(doi.org/10.1093/brain/awac211)
◆long COVID患者の安全のためにエビデンスのない治療が行われることを監視する必要がある.
Nature誌がFeatureのなかで,long COVIDの治療研究について議論している.問題点は大きく2つに分けられる.
1)Long COVIDの臨床試験は難しい.
long COVIDの病態はおそらく単一のものではなく,複数の原因が関わっている.このため有望な治療法でも,間違ったグループに投与されたということだけで臨床試験が失敗するおそれがある.またbrain fogや疲労などは客観的に評価することが難しく,また変動も激しいため臨床試験を行いにくい.
2)患者の安全のためにエビデンスのない治療が行われることを監視する必要がある.
臨床試験として,抗ウイルス剤,COVID-19ワクチン,コルヒチン,ステロイド,シロリムス,抗ヒスタミン薬,RSLV-132,抗うつ剤,血栓形成を標的とする薬剤カクテルなどが計画されている(図5).
重要なことはこれらの治療にはまだエビデンスがないことである.また副作用が問題となる薬剤もあり,これらの使用を監視する必要がある.外国では効果が実証されていない抗凝固薬を複数処方したり,血液透析を行ったりしている病院がある.また日本の例も紹介されている.咽頭の炎症を抑えるため塩化亜鉛を染み込ませた綿棒で喉を擦る,侵襲的な咽頭擦過療法を行い,疲労,頭痛,注意障害が改善したと対照群のない小規模試験により報告した研究である(Viruses. 2022 Apr 27;14(5):907. doi.org/10.3390/v14050907).患者を保護するために無作為化比較試験により効果を示した治療を行う必要ある.
→ 先日,テレビ局からLong COVIDに対するドネペジルの使用についてコメントを求められた.動物実験レベルでありエビデンスはないこと,また重篤な副作用も生じ,とくに心伝導障害,消化性潰瘍,気管支喘息の既往のある場合,リスクが高く,安易に使用できる薬剤ではないことを伝えた.患者は藁にも縋りたい状況であるからこそエビデンス未確立の治療薬の紹介は慎重であるべきである.
Nature. 2022 Aug;608(7922):258-260.(doi.org/10.1038/d41586-022-02140-w)