Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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帯状疱疹は認知症発症のリスク因子か?@第28回日本神経感染症学会総会・学術大会

2024年10月11日 | 認知症
本日より第28回日本神経感染症学会総会・学術大会に参加しています.大会長の中嶋秀人先生(日本大学神経内科学教授)より標題の宿題をいただきシンポジウムで報告しました.私がSARS-CoV-2ウイルス(COVID-19)による認知症のリスクについて勉強しているため,適任と考えてくださったそうです.

教室の森泰子先生とともに,以下の4つの臨床疑問を設定して行ったスコーピング・レビューの結果を報告しました.

1)帯状疱疹は認知症発症のリスク因子か?
2)帯状疱疹ワクチン接種は認知症の発症を抑制するか?
3)抗ウイルス療法は認知症の発症を抑制するか?
4)帯状疱疹による認知症発症のメカニズムは?


結論から言うと,前向き研究や無作為化比較試験が乏しく確定はできないものの「1~3はいずれもYESっぽい」という感じです.とくに眼部帯状疱疹や脳神経感麻痺を伴う帯状疱疹はリスクが高く,十分な抗ウイルス療法をしたほうが良さそうです.帯状疱疹ワクチンの接種は認知症リスクを抑えるというデータもメタ解析で出ています.詳しくは下図,およびスライドへのリンクをご覧ください.
https://www.docswell.com/s/8003883581/5R2QR3-2024-10-11-175313




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