その文庫本を購入したのは先々月のことだった。
書店で文庫本の棚巡りをして、時代小説の棚に至ったとき、平積みになっているその1冊を目にした。
おっ、新作が出たのね
手に取ってカバー背面の紹介文を読んでみる。
うん、良さそう…、買いだ
と買ってきたのはいいが、読みかけのものや先に買っておいたものなどがあって後回しになった。
で、一昨日、読み終わりました。
江戸時代の大坂が舞台。
享保の大飢饉を境に一人の少女の人生が思いもよらなかった方向に向かって動きだす。
そのプロローグというところだ。
少女の名は幸(サチ)。
富裕な村で学問所を主宰している父と、母・兄・妹の5人でのつましくも満ち足りた日々。
穏やかな日々のなか、七夕に幸が授かりたいと願ったものは
知恵
である。
『知恵は、生きる力になる。…略…。知恵を授かりたいという幸の願いはきっと叶えてもらえるよ』
と話してくれた兄の言葉。
そして、金色と銀色は
『どちらも天から与えられた美しい色』
だと教えてくれた兄の言葉。
それは、彼女の中で一つの核となるんじゃないかしら。
が、すべてが享保の飢饉で一変する。
兄に続いて父が他界し、母と幼い妹は豪農の家の下働きとなることを余儀なくされ、幸自身は、大坂は天満の呉服商五鈴屋(イスズヤ)に女衆(オナゴシ)として奉公に出る。
九歳の幸。
女衆として下働きに追い使われながらも、知恵を授かりたい、知りたい、学びたい、という気持ちを見失うことはない。
幼いながらに聡明な彼女に気付く者もある。
幸の“知りたい”という思いを叶えてやりたいと考える三男の智蔵。
女衆としての分を越えぬように配慮しながらも商のいろはを教えてくれる番頭の治兵衛。
ことに治兵衛は、幸のなかに“何か”を見出しているようだ。
五鈴屋での4年が過ぎ、さて、これからは…、…は続編を待つ。
『みをつくし料理帖』の作者による新作。
『みをつくし料理帖』も主人公の澪(ミオ)が女料理人として成長していく様を描いたもので、彼女の17歳から22~3歳までの5~6年が舞台だった。
今度はどうだろう。
9歳から13~4歳まではあくまでもプロローグ。
さてさて…、楽しみだなぁぁ
『あきない世傳 金と銀 源流篇』 高田郁著 角川春樹事務所
書店で文庫本の棚巡りをして、時代小説の棚に至ったとき、平積みになっているその1冊を目にした。
おっ、新作が出たのね
手に取ってカバー背面の紹介文を読んでみる。
うん、良さそう…、買いだ
と買ってきたのはいいが、読みかけのものや先に買っておいたものなどがあって後回しになった。
で、一昨日、読み終わりました。
江戸時代の大坂が舞台。
享保の大飢饉を境に一人の少女の人生が思いもよらなかった方向に向かって動きだす。
そのプロローグというところだ。
少女の名は幸(サチ)。
富裕な村で学問所を主宰している父と、母・兄・妹の5人でのつましくも満ち足りた日々。
穏やかな日々のなか、七夕に幸が授かりたいと願ったものは
知恵
である。
『知恵は、生きる力になる。…略…。知恵を授かりたいという幸の願いはきっと叶えてもらえるよ』
と話してくれた兄の言葉。
そして、金色と銀色は
『どちらも天から与えられた美しい色』
だと教えてくれた兄の言葉。
それは、彼女の中で一つの核となるんじゃないかしら。
が、すべてが享保の飢饉で一変する。
兄に続いて父が他界し、母と幼い妹は豪農の家の下働きとなることを余儀なくされ、幸自身は、大坂は天満の呉服商五鈴屋(イスズヤ)に女衆(オナゴシ)として奉公に出る。
九歳の幸。
女衆として下働きに追い使われながらも、知恵を授かりたい、知りたい、学びたい、という気持ちを見失うことはない。
幼いながらに聡明な彼女に気付く者もある。
幸の“知りたい”という思いを叶えてやりたいと考える三男の智蔵。
女衆としての分を越えぬように配慮しながらも商のいろはを教えてくれる番頭の治兵衛。
ことに治兵衛は、幸のなかに“何か”を見出しているようだ。
五鈴屋での4年が過ぎ、さて、これからは…、…は続編を待つ。
『みをつくし料理帖』の作者による新作。
『みをつくし料理帖』も主人公の澪(ミオ)が女料理人として成長していく様を描いたもので、彼女の17歳から22~3歳までの5~6年が舞台だった。
今度はどうだろう。
9歳から13~4歳まではあくまでもプロローグ。
さてさて…、楽しみだなぁぁ
『あきない世傳 金と銀 源流篇』 高田郁著 角川春樹事務所