続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『やまなし』⑧

2018-10-26 07:09:13 | 宮沢賢治

『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ…………。』
『殺されたよ。』
『それならなぜ殺された。』兄さんの蟹は、その右側の四本の脚の中の二本を、弟の平べったい頭にのせながら云ひました。


☆詞(言葉)を察(明らかにする)。
 詞(言葉)を察(明らかにする)。
 察(明らかにし)啓(人の目を開いて理解させる)。
 皆(すべて)、幽(死者の世界)の則(道理)の詞(言葉)をほにゃ(形を変えて作り直す)。
 較(比べて)注(書き記)。
 字を翻(作り変える)態(ありさま)は蔽(見えないようにし)套(被って)運(巡らせている)。


🈞マグリット『炎の帰還』②

2018-10-26 06:31:35 | 美術ノート

 炎の帰還・・・タイトルだけ見ると、逆襲あるいは報復を考えるが、男は手にバラを持ち肘をつき手を顎にあてている。戦闘態勢とは真逆である。
 覆面をしているということは、正体を隠しているということであり、誰であってもいい任意(想像上)の人である。
 空中に浮上しているのではないが、街(地上界)を踏破しているのでもない。黒服の着衣に重力を感じさせないのは、精神的な化身としての登場だからかもしれない。

 頬杖を付いているということは留まっているということであり、眼差しは下を向くというより、彼方(未来)を見ている。

『炎の帰還』、シルクハットの魔術師のような男の正体は精神であり風であり、街に再び豊かな活気(愛と平和)をもたらすように送り込まれた使者である。


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より


『城』3055。

2018-10-26 06:08:12 | カフカ覚書

わたしはおとなしくしとりますで」
「やめて、もうたくさんよ」と、フリーダは言って、イェレミーアスの腕を引っぱった。「この人は熱にうなされて、自分の言っていることもわからないんですわ。


☆でも、どうぞこちらへ。わたしは完全に無言でいますから」「もう十分だわ」と、フリーダは言い、腕を引っぱった。彼は熱に浮かされているので、言っていることが理解できなかった。