続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『秘められたる音』

2020-04-01 07:19:20 | 美術ノート

    『秘められたる音』
 修正レディ・メイド:ネジ留めされた真鍮版で挟まれた紐の玉
 
(動かすことによって音)という付記があるが、作品は静止状態にあり、動かせという指示もない。もちろん音は動くこと、あるいは物同士の接触によって出るものである。

 真鍮版に挟まれ紐に巻かれた玉の内部に秘められたる音があるというのだろうか。鑑賞者は耳を澄まし、音の予感を胸中に走らせるが無音を確信するだけである。

 防音という設備はあるが、仮にこの紐の玉の中に秘められたる音があったとして何の意味があるだろう。誰も感知することのない音である。
《秘められたる音》と指定したことで音を封じ込めたように錯覚する。無いものを有るようにすることが、言葉によって成立する。

 限りなく無に近いものとの対話である。


 写真は『DUCHAMP』(ジャニス・ミンク) www.taschen.comより


『忘れえぬ人々』119.

2020-04-01 06:40:15 | 国木田独歩

僕は噴煙を眺めたままで耳を傾けて、この声の近づくのを待つともなしに待っていた。

 僕はボクと読んで、目。
 噴煙はフン・エンと読んで、紛・掩。
 眺めはチョウと読んで、調。
 耳はジと読んで、字。
 傾けてはケイと読んで、継。
 声はショウと読んで、章。
 近づくはコンと読んで、混。
 待つはタイと読んで、対。
 待つはタイと読んで、他意。


☆目(ねらい)は粉(入り混じり)掩(隠れている)。
 調べた字を継(つなぐ)章(文章)である。
 混ぜた対(二つで一つになるもの)の他意がある。


『城』3389。

2020-04-01 06:30:31 | カフカ覚書

疲れていたKにすれば、夫婦の会話には大きな意味があった。ここからまたしても、これまで体験してきたすべてのことを凌駕するほどの大きな不幸であるような気がした。


☆疲れていたKには夫婦の会話は大きな意味があったここから再び活動したなら先祖のこれまでの全ての不運に打ち克てるような気がした。