続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『オーステルリッツの喧嘩』②

2020-04-29 07:31:30 | 美術ノート

 オーステルリッツの戦いは歴史に記録されるべき大戦である。
 しかしデュシャンは『喧嘩』だと言っている。そして提示したのは、ミニチュア(62.8×28.7×6.3㎝)の窓であり、人の手で抑え込むことが可能なほどの大きさである。
 上も左右も隙だらけどこからでも侵入できる・・・つまり、これは解放であり、自由ではないか。空の上から見た地球に国境がないのと同じである。

 その後、レノンが歌ったImagineと同じ考えなのではないか。反戦の旗手として名乗りを上げたわけではないが、強い反戦の意志が隠れている。
♪殺したり死んだりするものは何もない~♪と歌ったレノンに等しい。

 小さな作品提示で大きな声明を隠している。
 誰もが知ってる「オーステルリッツの大戦」など誰もが乗り越えられる喧嘩にすぎない。
 一見閉鎖的に見える頑丈な窓の造り、空からも東西南北どこからも開かれた自由な世界の、しかし忘れてはならない胸に刻んだ小さな墓碑かもしれない。


 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク www.taschen.comより


『忘れえぬ人々』138.

2020-04-29 07:21:40 | 国木田独歩

歳の頃四十を五ツ六ツも越たらしく、幅の広い四角な顔の丈の低い肥満た漢子であった。


☆済(救い)の恵みは詞(言葉)で套(被われてる)。
 死の等(平等)は語(言葉)で録(書き記されている)。
 閲(調べると)複(二つ)の講(話)があり、詩(言葉)を較(くらべる)。
 眼(ねらい)は諦(真理)を呈(さしだすこと)である。
 秘(人に見せないように隠す)が万(たくさん)あり、換(入れ替える)詞(言葉)がある。


『城』3408。

2020-04-29 07:14:28 | カフカ覚書

あの人をその意にさからってこの巣からとりだすなんて、とうてい不可能なことだったでしょう。あの人を巣から追いだすことができるのは、身分の低い人にたいする愛、つまり自分の地位にふさわしくないものだけだったのです。


☆意思に逆らって外すなど全く不可能です。低い立場の人たちへの愛、それは彼女の地位を駆り立てるもので、地位を欺くものではなかったのです。