続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『秘められたる音』④

2020-04-06 07:01:26 | 美術ノート

(ネジ留めされ真鍮板で挟まれた紐の玉)である。
 硬く動きを止められ、しっかり包囲された禁錮・束縛の態。身動きできない見えない何か・・・音、声。音には具体的な意味がないが、声は音である。音に具体性を与えるのは人の意思や想像力である。

〈秘められたる音〉であると、意思を以て告げている。この中には秘めた思いがあるかもしれない。無いことを含めての存在。
 真鍮板で挟まれた紐の玉、抑圧を緩和するかの紐の玉の媒体。

《デュシャンの真意》叫び、あるいは呟き、そして主張は、決して外部から覗き見られたり漏れ聞こえるものではない。
『秘められたる音』は、デュシャン自身である。「わたしが見えるか?」という問いである。


 写真は『DUCHAMP』(ジャニス・ミンク) www.taschen.comより


『忘れえぬ人々』122.

2020-04-06 06:49:09 | 国木田独歩

夕月の光を背にしていたからその横顔も明毫とは知れなかったがその逞しげな体躯の黒い輪廓が今も僕の目の底に残っている。

☆幽(死者の世界)を合わせた講(話)である。
 拝(つつしんで)往(その後)を願(望む)。
 冥(死後の世界)を合わせて質(内容)を定めた他意の句(言葉)であると告げる。
 倫(人の行うべき道)を覚る魂が目(ねらい)である。
 黙って訂(正す)懺(罪や過ちを許す)がある。


『城』3392。

2020-04-06 06:32:04 | カフカ覚書

「この人、はなんという眼つきでわつぃを見つめるんでしょう!さあ、いいかげんに追いだしてちょうだい!」と叫んだ。
 Kは、このときとばかりに、ここにとどまることを完全に、ほとんど傍若無人なまでに確信しきった口調で、


☆「なぜ、わたしを見るの。あっちに行ってください」と、叫んだ。Kは、しかしながら時に感動的になり確信したが、彼は留まることを全く冷淡に言った。