続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『泉』

2020-04-08 07:22:40 | 美術ノート

   『泉』

 男子用小便器であり、女子は使用しない。身体的都合上、使用できないのである。
 明確な男女の相違がここにある。

 男と女、様相は変装を可能にするが、肉体的な器官において決定的な差異がある。もちろん違いであって差別などではない。変えられぬ条件、宿命を暴く生理上の器具。
『泉』と命名したこの小便器を会場に置くとき、隠すべきものを大衆の面前に曝したとして排除されることは必至である。
 不道徳な行為、健全な市民生活における反逆である。

 強いてこの『泉』を提示しようとした意図は何か。この作品提示によって想起されるのは正しく男根であり放尿である。男女における決定的な相違は悲しくもこの一点にあるように見える。

 逆に言えば、男女の相違は「この一点」にすぎないことの告発でもある。


 写真は『DUCHAMP』(ジャニス・ミンク) www.taschen.comより


『忘れえぬ人々』124.

2020-04-08 07:02:11 | 国木田独歩

「その次は四国の三津ヶ浜に一泊して汽船便を待った時のことであった。

 次はジと読んで、弐。
 四国はシ・コクと読んで、詞、告。
 三津ヶ浜はサン・シンケ・ヒンと読んで、算、申、化、品。
 一泊はイツ・ハクと読んで、逸、吐く。
 汽船便はキ・セン・と読んで、記、詮。
 待ったはタイと読んで、他意。
 時はジと読んで、示。


☆弐(二つ)の詞(言葉)を告げる。
 算(見当をつけ)申(のべる)化(教え導くこと)の品(種類わけ)である。
 逸(隠して)吐く(言う)記の詮(意味を明らかにし)、敏(すばやく)他意を示す。
 


『城』3394。

2020-04-08 06:45:40 | カフカ覚書

ここで酔いがさめるまでごっすり眠らせておいてあげなさい!」
 そう言うと、さらにペーピを呼んだ。ペーピは、すぐに暗がりからぬっとあらわれたが、もじゃもじゃの髪をし、疲れはて、箒をもつ手もだらしなかった。お内儀は、Kになにか枕でも投げておやり、と言いつけた。


☆ここでの彼らのざわめきは放っておきなさい。そう言うと、ペーピを呼んだ。
 この評判は溶けるように不明瞭に浮かび上がった。
 伝説は、先祖が種をまいたのです。彼女は投げやりに無雑作になにかガラクタのようなものを投げつけるようにペーピに言った。