続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)㉜+

2020-08-03 07:17:43 | 飯島晴子

   西国は大なめくぢに晴れてをり

 西国って何を暗示しているのだろう、西方浄土かもしれない。
 大なめくぢに晴れてをり、なめくぢは晴天の光に弱いので葉の陰に隠れているにもかかわらず、大なめくぢに晴れているという。
 西方浄土、ここは総てが救済される世界。大なめくじが絶命の危機のある晴天にあっても、難なく光を浴びている。きっとあの世とはそういう処に違いないという感想、そうであって欲しいという切望がある。

 西国はセイ・コクと読んで、世。酷。
 大なめくぢ(大蛞蝓)はテイ・カツ・ユと読んで、態、勝つ、由。
 晴れてをり(晴居)はセイ・キョと読んで、勢、挙。
☆世の酷(容赦なく厳しい)態(ありさま)。
 勝つ由(術)は、勢いが挙(すべて)である。

 西国はセイ・コクと読んで、省、告。
 大なめくじ(大蛞蝓)はタイ・カツ・ユウと読んで、他意、合、遊。
 晴れてをり(晴居)セイ・キョと読んで、盛、挙。
☆省(注意して見ること)を告げる。
 他意を合わせた遊びがある。
 盛る挙(企て)がある。
 


R.M『出現』②

2020-08-03 06:42:15 | 美術ノート

 出現とは何だったろう。存在を自覚する、認識までの時間。
 存在のルーツをたどれば、やはり奇跡であり、何かのはずみで分子構造に破綻をきたしただけなのだろうか。

 存在を認識する行為、すなわち人類の原初である。
 菱形の連鎖、菱形は他の動物には表現し得ない形状であり、環としての終結、環が切れる、あるいは環になろうとするプロセスは、時間という進行を暗示している。

 彩色の違い、三原色は光の認識であり、視覚の発見である。すべては見えることから始まり、見える対象(世界)があることに気づいたところから人類の知覚が構成されていく。
 マグリットは自分(存在)の原点を眺望し、結果としての彩色(光)と混沌(闇)だったのだと思う。拓く、その始まりへの挑戦である。


 写真は『マグリット』展・図録より


『注文の多い料理店』6.

2020-08-03 06:33:53 | 宮沢賢治

「じつにぼくは、二千四百円の損害だ」と一人の紳士が、その犬の眼ぶたをちよつとかへしてみて言ひました。


☆字に潜(ひそむ)詞(言葉)の飛躍を掩(隠している)。
 尊い骸(死体)を逸(隠している)。
 認(見分けると)真(本当)の詞(言葉)があり、兼ねている言(言葉)が現れる。


『城』3469。

2020-08-03 06:21:30 | カフカ覚書

もはやだれ一人として、フリーダがクラムの愛人であることを疑う人はなくなってしまいました。あきらかにもっとよく事情を知ったいるにちがいない人たちも、すでに疑うことに疲れて居ました。〈クラムの愛人だと言うのなら、出世でもしてその証拠を見せてもらいたいものだ〉と考えるのでした。


☆フリーダがクラムの愛人だということを疑う人は誰もいなくなりました。クラムの愛人だという考えを疑うのに疲れてしまったのです。しかし、ならば、あなたの向上ぶりを示してもらいたいものです。