続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)葡萄垂れよ。

2020-08-27 11:19:21 | 飯島晴子

   葡萄垂れよ天上をゆく強き櫂

 葡萄垂れよ、命令形あるいは強い希望(祈り)である。
 かの人の功績は偉大である。きっと大きく熟しているのを知るだろう、知るはずである。死してさえ、なお力強く櫂をこぎ、天上をゆくに違いない!

 葡萄垂れよはホ・ドウ・スイと読んで、保、堂、誰。
 天上をゆく(天上行)はテン・ショウ・コウと読んで、典、衝、構。
 強き櫂はキョウ・トウと読んで、教、謄。
☆保(守る・持ち続ける)お堂(神仏を祀る建物)は、誰かが典(書物・規範となるもの)で、衝(重要な)構(組み立て・仕組み)を教え、謄(書き写さねばならない)。

 葡萄垂れよはブ・トウ・スイと読んで、部、問、推。
 天上をゆく(天上行)はテン・ショウ・コウと読んで、転、章、衡。
 強き櫂はキョウ・トウと読んで、協、統。
☆部(区分け)を問い、推しはかる。
 転(移りかわる)章(文章)の衡(つりあい)を協(あわせ)統(一筋にまとめる)。


『飯島晴子』(私的解釈)56+

2020-08-27 07:23:17 | 飯島晴子

   軽暖や写楽十枚ずいと見て

 ようやく暖かくなってきた頃である。「さあ、やるぞ!」の高揚、写楽の絵にはそういう気迫が感じられる。モデルは知られざる名優・大谷鬼次など、この一瞬に賭ける気合、ふだん目立たない役者のこの一場面、緊迫の一瞬に『ずい』とこみ上げる共感を抱く。

 軽暖はケイ・ダンと読んで、計、談。
 写楽はシャ・ラクと読んで、写、絡。
 十枚はジユウ・マイと読んで、自由、毎。
 見てはゲンと読んで、現。
☆計(もくろむ)談(話)を写(書き写す)。
 絡(筋道)は、自由で、毎(そのたびに)現れる。

 軽暖はケイ・ダンと読んで、系、断。
 写楽はシャ・ガクと読んで、奢、愕。
 十枚はトウ・マイと読んで、当、毎。
 見てはゲンと読んで、嫌。
☆系(つながり/付き合い)を断つ。
 奢(分を越した贅沢)に愕(驚く)。
 当(その)毎(たび)に嫌う。


R.M『不穏な天気』

2020-08-27 07:00:28 | 美術ノート

   『不穏な天気』

 不穏というから何かの予兆だと感じるが、波の静かないい天気である。ただ違っているのは白い雲であるはずの位置に、白い物体が三体並んでいることである。

 トルソは乳房から見ると女であるが、腕のつけ根や肩の線から見ると男である。つまり、差異を含んだ人間ということかも知れない。
 チューバ(吹奏楽器)は、音を増幅させる発信源である。
 椅子は、普通に考えると地位を象徴する。

 これらが平穏な地上に浮上して見えている景色を『不穏な天気』と名付けている。
 穏やかな景色を否定する空気が顕在しているという。美しくさえ見えるこの三体、人は描かれていないが較べるまでもなく巨大である。椅子やチューバがただ在るだけでなく人が介在する景色。

 魅了されるような眺めであるが、その意味を検討すると、上からの圧力であり鳴り響く音響であり、人が隠されている。大いなる権力の爆走を予感させる静けさは否定できない。ありのままの景色を人的圧力で、制圧する。

『不穏な天気』はあくまで予兆にすぎない。しかし・・・。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3486。

2020-08-27 06:09:48 | カフカ覚書

だって、あなたは、まったく何者でもない。一文の値うちもない、まるっきりの無なのよ。あなたは、測量師でいらっしゃる。これはあるいはひとかどのことかもしれないわね。つまり、あなたは、ひとかどのことを習って身につけていらっしゃるわけね。でも、それでもってなにもすることができなければ、やっぱりまるっきりの無だわ。


☆それにもかかわらず、よく見たところで、悲しいかな、あなたは何でもない。あなたは測量師(土地がないことに気づいた人)です。ひょっとしたら、あなたは習得を収めているかもしれませんが、何かをするのでなければ、やっぱり無意味です。