続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)53+

2020-08-24 07:02:21 | 飯島晴子

   でで虫の繰り出す肉に後れをとる

 たしかに、あれは肉である、肉がどこぞへ向かい進んで行く。さぞかし鈍いと思っていると、目を離したそのスキに見えなくなっている。 

 虫はチュウと読んで、誅。
 繰り出すはソウ・スイと読んで、争、遂。
 肉はニクと読んで、憎。
 後れをとる(後取)はゴ・シュと読んで、互、守。
☆誅(罪を責め咎め)争うことを遂げると、憎むようになる。
 お互いに守(他から侵されないように防ぐこと)である。

 虫はチュウと読んで、注。
 繰り出すはソウ・スイと読んで、総、推。
 肉はニクと読んで、二句。
 後れをとる(後、取)はコウ・スと読んで、衡、須。
☆注(書き記したもの)を総て推しはかると、二句がある。
(それは)衝(つり合い))を須(必要)とする。


R.M『恋人たちの散歩道』

2020-08-24 06:29:12 | 美術ノート

   『恋人たちの散歩道』

 恋人、未来を夢見る二人である。道の前は漆黒の闇、しかし二人は突き抜ける無限の空を描いている。各々、少しの差異はあってもその風景は同質である。
 しかし、よく見ると《道》ではない。集合住宅、数多の住宅街が立ちはだかっている。

 つまり、道はないのである。彼方に大きく掲げた理想の自由(フレームの中の空)は、手の届かない遥か高所にある。個々人が入居する建物などより遥かに遠く高い。
 手につかもうとすれば、さらに遠く離れていくかもしれない。

 眼前に広がる遮蔽物、それは内在する人々の思惑でもある。社会であり、制度であり、主義主張が建物の中で息を潜めている。未来、新しい時間を開拓する若い二人の大きく重い障壁である。

『恋人たちの散歩道』は行き止まりであり、閉塞状態である。修正、破壊、災害、どんな未来が待っているかは定かでない。フレームの中の自由(青空)、設計図を遂行できる未来は沈黙している。
 恋人たちの散策に目的はないが、その風景は厳然と自由の前に立ちはだかっている。


 写真は『マグリット』展・図録より


『注文の多い料理店』19.

2020-08-24 06:18:29 | 宮沢賢治

 二人は戸を押して、なかへ入りました。そこはすぐ廊下になってゐました。その硝子戸の裏側には、金文字でかうなつてゐました。


☆字を認(見わけ)、個(一つ一つ)を追うのは新しい。
 漏れる化(教え導くこと)の章である。
 詞(言葉)の個(一つ一つ)の理(道理)は即ち、魂の悶(苦しみ)を治めることである。


『城』3483。

2020-08-24 06:08:05 | カフカ覚書

しかし、身分はいやしくても、場合によっては従僕よりもまだ身分が低くても、ずっとずっと低くても、すべての娘たちがもの笑いの種にするような男ではだめで、眼のある娘ならおそらくいつかは魅力をおぼえるような男でなければならないのでした。


☆しかしながら、普通の人であるべきで、多分下僕でもさらに低い者でもだめで、常に作り話を冷笑してはなりません、ひょっとしたら、他の才能ある作り話なら将来興味を見出すこともあるでしょう。