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為替は円売り、株は日本株買い:日本のゼロ金利が背景か?ー学校で教えてくれない経済学

2005-12-29 11:36:48 | 経済学
クリスマス休暇明けの12月28日、NYでは金相場が516ドルと再び540ドルを覗い、原油先物相場(WTI)がバレル1.66ドル上げ59.82ドルで取引された。

一方、NYダウは、本来高かるべきはずの長期金利(10年物国債利回り)が短期金利〈2年物国債利回り〉に鼻の差でリードされたことを嫌気して前日比18ドル高と小幅高にとどまった。長短金利逆転は景気後退のシグナルと見る投資家が多いからだ。

NY為替市場では、金利差を材料に、ドルが対円で1ドル=118円寸前まで戻し、対ユーロでは、1ユーロ=1.1824ドルまで上昇した。日本のゼロ金利政策が長期化する一方、米国は越年後も利上げ継続でアナリストの見方がほぼ一致していることが背景だ。

金相場はオンス492ドルまで下げたあと、調整を入れるとの見方は見事に裏切られたかにみえる。インド、中国最近は中東からの買いも増えている。世界的な供給不足で需要は増える。需要面では、ゼロ金利長期化を嫌気して、日本の個人資産が、円安・ドル高期待を追い風に、金選好の気運を強めていることも金相場底上げのひとつの背景と見られる。

日本のゼロ金利に嫌気した個人投資家の動きは、予想外の円売りドル買いの背景にも見られる。それが自分が予測を間違えた大きな理由だと12月28日、日経CNNテレビに登場したUBS銀行為替アナリストの小島誠氏は話していた。

同氏は2005年の相場を年初、1ドル=102円から112円の幅と予測したが見事はずれ、1ドル=121円を記録した。日銀の量的金融緩和政策は来年4月早々にも解除されそうだが、ゼロ金利は撤廃されない。そのため、日米金利差を材料にして、少なくとも来年年半ばまでは、1ドル=130円近くまで円安・ドル高が続くと小島氏は予測した。

為替は円売りだが株は日本買いである。ドイツ証券の武者副社長は今年の日本の株価の予測を間違えたと率直に認め、2006年も株高が続くと強気に転換した。海外からのアメリカ資産買いのお陰で米国の長期金利が低位に抑えられる。結果米景気を来年も底堅く推移するから米国株式は堅調だろう。米国景気安定は日本株にもプラスに働くと予測した。

銀行や郵便局にお金を預けていても、自分のお金を出し入れするだけで法外な手数料は取られるが金利は付かない。ゼロ金利が6年続いてさすがの日本の個人も動き始めたのであろうか。日本人が「持つリスク」から「持たないリスク」に目覚めたのかもしれない。

ただ、高をくくると足元をすくわれるのも相場である。好事魔多しは永遠の真理だ。〈了〉

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