ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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NY原油一時139.89ドル、EUインフレ率3.7%、NYドル108円台

2008-06-17 10:58:23 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)


 アメリカ人の男性と結婚、2児の母親でもある遠縁の女性が里帰りしたと聞いて、昨日、「ウエルカム・ジャパン昼食会」を、阪神青木駅近くで開いた。ガロン4ドルのガソリンの話やスパーマーケットで食料品の値段が上がり、共に家計を圧迫していると話していた。
 NY原油市場で、6月16日、取引開始直後、WTI(軽質油)がバレル139.89 ドルと史上最高値を更新した。今朝のWSJ紙によると、ドル先安をヘッジするためにWTI先物をヘッジファンドが買ったことが影響した。北海ブレント油も139.32ドルへ上昇した。
ところがサウジアラビアが日量20万バレル増産との情報が流れ、原油急騰が原油消費を減らし、それが価格の足を引っ張るとの思惑から売られ、結局、WTIはバレル133.89ドル、ブレント(重質油)134.14ドルで取引を終了した。ここで面白いのは、ドル先安を見越して原油の先物を買ったというヘッジファンドの動きである。
ドル相場は米国の利上げ材料や、ポールソン財務長官やバーナンキ米FRB議長による「口先介入」で堅調に推移している。NY外国為替市場で、6月16日、1ユーロ=1.5475ドル、1ドル=108.19円で取引されたから、ドル買いの流れという基調に変化は出ていない。
投機を意味するスペキュレーションの本義は遠くを見ることである。投機家を頭ごなしで批判するひとが多いが、彼らは貴重な預かり物の資産を命がけで運用している。遠くを見るから近くがむしろよく見えることは車を運転してみればよく理解できる。
昔NHKラジオで「明るい農村」という番組があった。本来明るければ「明るい」と冠をつけない。米国は、強いドル、強いドルと繰りかえしているが、本当に強ければ、強い、強いと言わない。ドル相場の堅調が何処まで永続性があるかよく見極めておく必要があろう。
5月のEU(欧州連合)15ヶ国のインフレ率が、0.6%増加、年率に換算して、16年ぶりとなる3.7%を記録したとEU事務局が発表した。事前の予測の3.6%を上回ったことで次回のECB(欧州中央銀行)で0.25%利上げして年4.25%とするとの思惑が出てきた。
WSJ紙によると、食料〈+6.4%〉、交通〈+5.9%〉、住宅関係〈+5.7%〉の物価上昇が全体を引き上げた。住宅は明細不明だが、諸経費値上がりから家賃値上げによると思われる。トリシェECB総裁は、月例記者会見で、EUの時間当たり賃金が昨年10~12期の2.9%増から今年1~3期3.3%増加したと指摘していた。
為替レートは、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映するが、欧米間の金利差を反映して動くケースが最近の傾向である。ECBが利上げすれば、次回の米FOMCの段階では、まだ「利上げ見送り」だろうから、金利差から対ユーロでドルは売られやすい。
遠縁の女性は米国シカゴ郊外に住み、旦那は日系のIT関連企業に勤めている。子供を学校までマイカーで送り迎えしている。主婦感覚として、ガソリンや食費が米国の家計を圧迫していることを教えられた。米国の利上げがバーナンキ議長の思惑通り実現するだろうか。
日本はどうか。原油、為替の話や、まして金利の話などほとんど話題にならない。日銀は昨日、個人の金融資産残高が07年末で前年比55兆円減ったと発表した。ところが「現金・預金」は6兆円、国債は3兆円それぞれ増えた。一方、株式が61兆円減り、円高ドル安で円資産も目減りした。金利ゼロに等しい預金にお金が集まる。日本の実像を写している。〈了〉

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