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NY原油140ドル突破、NYダウ358ドル暴落(学校で教えてくれない経済学)

2008-06-27 07:20:28 | 経済学
 NY原油先物市場〈8月物〉で、6月26日、WTI(軽質油)、北海ブレント(重質油)それぞれ139.65ドル、140.27ドルで取引を終了した。前日、6営業日ぶりに米原油在庫が増加したことを材料に売られたが、夜が明けると一気に5ドル上げ史上最高値を更新した。
 今朝のWSJ紙によると、OPEC(石油輸出国機構)議長が、「2008年の原油相場は、150ドルを越えるだろう」と発言、加えてリビアが減産になるとの見通しを発表したことが原油急反発の引き金となったと紹介している。
 この日の原油急反発には米利上げのタイミングが年末までずれ込み、利上げ必至のEU(欧州連合)と欧米間で金利差が拡大するとの思惑からドルが売られたことも影響した。米10年物国債の利回りは利上げ期待で年4.2%を超えていたが、現在、4.04%台へ下げている。
米FOMC(公開市場委員会)は、昨日、インフレ懸念を強調した。しかし、FFレートを2.0%に据え置いた。足元で金融不安が解消してないこと、米景気懸念も指摘した。
原油高、金融不安再燃、米景気回復の遅れを材料に、不安心理が高まり、NY株式市場は、ほぼ全面安の展開となった。特にGMが10%以上値下がり、53年ぶりの安値を更新したことも、相場の地合いを一層悪化させ、NYダウは前日比358ドル、3%安、11,453ドルで取引を終了した。
株を売ったお金が、再び、原油はじめ商品市場へ流れ、金相場はトロイオンス前日比30ドル上げ918ドルで取引された。銀、プラチナも上げたが、銅、すず、アルミなど非鉄金属相場も値上がりした。 水鳥は餌場を求めて株から商品市場へ移動した。
NY外国為替市場で、6月26日、ドルが、対ユーロ、対円ともに売られ、1ユーロ=1.5758ドル、1ドル=106.72円で取引された。ユーロ反発は、金利先高に加えて、NY株大幅下げで、株を売った資金がユーロに流れた結果であると今朝のWSJ紙は解説している。
NYダウが下がると円相場が対ドルで値上がりするパターンは定着している。この日,円が1ドル=106円台まで値上がりした裏には、NY株の値下がりが大いに影響している。
ドルが下げれば原油が上がるパターンは、このところ影を潜めていた。原油が再び騰勢を強めてきたことはドル先安を見越してのお金の流れであろう。インフレ懸念とはドルの目減り、ドルの値打ちがなくなり、ドル建ての値段が下がることである。
バーナンキ米FRB議長は、ドル下落を食いとめるべく利上げのタイミングを模索していた。今回のFOMCの声明文で、その思惑がはずれたとの見方が、この日の原油急反発、NYダウ暴落を一層加速させたと思われる。
日本はどうか。日本では相場の話は人気がない。相場の話には努めて関わりたくないと思っている人が多いからであろう。政治家も、見て見ぬ振りをしている。
ガソリンがなぜ上がるのか。バタ-がなぜ手に入らないのか。にわとりの卵がなぜ値上がりするのか。好き嫌いの世界ではない。原油が上がり、牛やニワトリの餌に使うトウモロコシの値段が2割、3割高でなく、2倍、3倍という異常な状態が起こっている結果である。
今の大人を相手にしても埒(らち)が空かないなら、せめて、未来の日本を背負うこどもたちには、現在、世界で何が起こっているかを家庭でも学校でも是非とも教えて欲しい。〈了〉

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