経済とからだの健康は共通点が多い。一言でいえば治る病気も手遅れになるといくら名医でも所定の成果を挙げることができない。食材にも旬がある。タイミングをはずすとまずい料理を食べさせられる。少なくなったが良心的な店は旬を過ぎた食材ははじめから使わない。
原油・為替・金利を3点セットで経済の動きをいつとはなしに観察するようになった。原油相場はユーロ高・ドル安の風に乗って7月に終わり値ベースで史上最高値バレル145ドルを記録した。11月14日、NY原油(WTI)相場はバレル57ドルで取引を終了した。
半値八掛け2割引と言う言葉がある。原油はわずか3ヶ月で半値八掛けまで値下がりした。一端下げ相場に転じると止まらない好例であろう。原油相場をリードしてきたユーロに下げ止る気配が見えない。11月14日、1ユーロ=1.2611ドルで取引された。
ユーロ誕生への難産の経緯は「ユーロへの挑戦」(H.ティートマイヤー著)に詳しい。誕生後ほぼ一年の2000年3月、1ユーロ=82セントが最安値である。直近高値は1ユーロ=1.60ドルまであった。1ユーロ=1ドルまでの値下がりが視野に入ってきた。様変わりだ。
為替相場は、金利の動きを敏感に反映する。ユーロが最高値を更新して来た裏にはECB(欧州中央銀行)のインフレ懸念理由の高金利政策があった。ユーロが下げ止まらないのは7月以降の原油暴落でインフレ懸念が後退、利下げ期待が台頭してきたからである。
NY株式市場で、11月14日、NYダウは、前日比337ドル下げ、8,497ドルで取引を終了した。8,000ドル割れで実態の悪さを無視して上げた550ドルの6割を早くも吐き出した。GDPの7割近くを占める個人消費のシンボルである小売高の過去最大の下落を嫌気した。
米国景気はITバブル崩壊を食い止めるために住宅バブルで対応した。住宅の値段が上がる。上がるから家の担保価値が増える。その分余計お金を借りられる。借りたお金で買い物が増える。バブルの元凶の利下げから一転利上げした。家の値段が下がり借金が返せない。
米FRBは昨年7月、年5.25%まで上げた政策金利を下げるタイミングが遅れた。政府が利下げをしても銀行は住宅ローン金利を貸し倒れを怖れて下げなかった。住宅の値段は現在進行形で下げ続けている。9月15日には天下のリーマンブラザースが倒産した。
住宅バブル崩壊は米国にとどまらなかった。チエコスロバキヤやポーランドの住宅ローン会社が日本の異常な低金利を利用して貸し付けた。家の値段が下がり、返済できなくなった。借りた日本円返済を余儀なくされ外貨を売って円を買った。その結果円高が加速している。
米国に限らず海外、特に新興国は、かって日本がそうであったように、外国からお金を借りて国の経済を切り盛りしてきた。ところが海外からの資金が突然逃げ出した結果自国通貨が暴落した。通貨暴落防止のためにIMFが巨額の資金を投入したアイスランドが好例だ。
米国は一貫して強いドルはアメリカの国益と言い続けている。自国通貨の値打ちが下がること(日本の場合は円安)を喜ぶ国は日本のみである。外貨預金を楽しみにしていた個人は別にして自国通貨が上がること(円高)は企業も含めて国民経済的に間違いなくプラスだ。
日本は資源の99%を海外から買っている。資源には限りがある。早晩値上がりしてくる。円相場が高値安定することは国益である。ゼロ金利でも日本人は「定額給付金」を先が不安だからと貯金する。真に国益とは何か。手遅れにならないうちに頭を整理して欲しい.(了)
原油・為替・金利を3点セットで経済の動きをいつとはなしに観察するようになった。原油相場はユーロ高・ドル安の風に乗って7月に終わり値ベースで史上最高値バレル145ドルを記録した。11月14日、NY原油(WTI)相場はバレル57ドルで取引を終了した。
半値八掛け2割引と言う言葉がある。原油はわずか3ヶ月で半値八掛けまで値下がりした。一端下げ相場に転じると止まらない好例であろう。原油相場をリードしてきたユーロに下げ止る気配が見えない。11月14日、1ユーロ=1.2611ドルで取引された。
ユーロ誕生への難産の経緯は「ユーロへの挑戦」(H.ティートマイヤー著)に詳しい。誕生後ほぼ一年の2000年3月、1ユーロ=82セントが最安値である。直近高値は1ユーロ=1.60ドルまであった。1ユーロ=1ドルまでの値下がりが視野に入ってきた。様変わりだ。
為替相場は、金利の動きを敏感に反映する。ユーロが最高値を更新して来た裏にはECB(欧州中央銀行)のインフレ懸念理由の高金利政策があった。ユーロが下げ止まらないのは7月以降の原油暴落でインフレ懸念が後退、利下げ期待が台頭してきたからである。
NY株式市場で、11月14日、NYダウは、前日比337ドル下げ、8,497ドルで取引を終了した。8,000ドル割れで実態の悪さを無視して上げた550ドルの6割を早くも吐き出した。GDPの7割近くを占める個人消費のシンボルである小売高の過去最大の下落を嫌気した。
米国景気はITバブル崩壊を食い止めるために住宅バブルで対応した。住宅の値段が上がる。上がるから家の担保価値が増える。その分余計お金を借りられる。借りたお金で買い物が増える。バブルの元凶の利下げから一転利上げした。家の値段が下がり借金が返せない。
米FRBは昨年7月、年5.25%まで上げた政策金利を下げるタイミングが遅れた。政府が利下げをしても銀行は住宅ローン金利を貸し倒れを怖れて下げなかった。住宅の値段は現在進行形で下げ続けている。9月15日には天下のリーマンブラザースが倒産した。
住宅バブル崩壊は米国にとどまらなかった。チエコスロバキヤやポーランドの住宅ローン会社が日本の異常な低金利を利用して貸し付けた。家の値段が下がり、返済できなくなった。借りた日本円返済を余儀なくされ外貨を売って円を買った。その結果円高が加速している。
米国に限らず海外、特に新興国は、かって日本がそうであったように、外国からお金を借りて国の経済を切り盛りしてきた。ところが海外からの資金が突然逃げ出した結果自国通貨が暴落した。通貨暴落防止のためにIMFが巨額の資金を投入したアイスランドが好例だ。
米国は一貫して強いドルはアメリカの国益と言い続けている。自国通貨の値打ちが下がること(日本の場合は円安)を喜ぶ国は日本のみである。外貨預金を楽しみにしていた個人は別にして自国通貨が上がること(円高)は企業も含めて国民経済的に間違いなくプラスだ。
日本は資源の99%を海外から買っている。資源には限りがある。早晩値上がりしてくる。円相場が高値安定することは国益である。ゼロ金利でも日本人は「定額給付金」を先が不安だからと貯金する。真に国益とは何か。手遅れにならないうちに頭を整理して欲しい.(了)