しもやん(下川浩二氏)講演会
江嵜企画代表・Ken
「しもやん」こと下川浩二氏による「頭をやわらかくするマインドマップセミナー」が就職前の大学生を相手に西宮北口のアップ研修館8階会議室で開催された。
私事ながら下川氏から案内いただいた娘に仕事が入り出られない。急遽代打に決まっていた家内が都合つかず、野球でよくある代打の代打で筆者が会場へあわただしく駆けつける次第となった。
会場の様子をいつものようにスケッチした。後ろ姿はウソをつかないと常々思っている。下川氏の話もすばらしかったがスケッチをしていて、一番驚いたのは会場の学生たちが熱心に講師の話に耳を傾けている情景を目の当たりにしたことだ。
最近の学生は私語は当たり前。まともに講師の話を聞かない。講義中歩き回る。それはひどいものだと学校関係の方からも仄聞していた。このたびの会場の様子をサプライズと言わずしてなんと呼べというのか。
前置きが長くなったがマインドマップなるものがいかに頭を整理するに当たって絶大な効果を発揮することをこのたび実感させていただいたことを白状する。
マインドマップについては、先日、NHKの夜9時のニュースで詳しく紹介されていた。多くの企業でもすでに採用している。企業だけでなく小中学校が教科に組み入れていると言う。下川氏が開発した「成功手帳」が多くの書店で今飛ぶように売れているという紹介も当の番組で見た。
午後3時から休憩15分を挟んで6時まで時にDVDによる映像も交えながら背中の黒板にテーマを変えて、マインドマップを書いてはよどみなく話を展開していかれた。
多くの話の中で一番印象に残った話は「人間の成長4段階」である。一段目:知る、二段目:分かる、三段目:出来る、四段目:教える。『知る』段階と『教える』段階の間で文字通り『天地の差』が生まれる。
インプットだけでは身につかない。アウトプットしてはじめて自分の血となり肉となる。
知っていても分からない。分かっていても出来ない。出来ても教えることが出来てははじめて自分のものになると聞いて大いに納得した。
人生は誰に出会ったかで決まる。人に好かれることが大事だ。「素直力」があるひとに成功する方が多いとも話された。ひとつひとつそれぞれが重い言葉だなと思った。
昨今大不況だ、やれ100年来の恐慌だと騒いでいる。しかし、環境に期待してはいけない。自分に期待することが大事だ。好きなことの延長線上に人生が見えてくる。企業の成長と自分の成長は決して同じではない。ご自身の体験を踏まえての話だから迫力があった。
下川氏は大学を出て大手証券会社に入った。お金を稼ぐそれしか考えて居なかった。その会社では給料は良かった。しかし11年死ぬ思いをして暮らした。その後11年別の民間会社で過ごした。前の職場と同じで、「勝ち組」、「負け組」の修羅場をいやと言うほど経験した。
勝った、負けたは関係ない。「勝ち組」「負け組」のほかに「楽しみ組」があることが分かるまで大学を出てから20余年かかった。大学生を前に置いて、下川氏は、自分は4年前ようやく「脱藩」したという言葉を使われた。
みなさんも決して急ぐことはない。脱藩して大事をなした龍馬と重ね合わされたのであろう。『龍馬が行く』全8巻は是非読んで欲しいと学生達にはなむけの言葉とし講演を終えられた。学生たちの力強い大きな拍手が心地よく響いた。
「しもやん」こと下川浩二氏にはからずもすばらしいご縁をいただいた。感謝、感謝、感謝である。(了)