ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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米景気先行き不安からNYダウ411ドル安、原油56ドル、ドル94円(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-13 09:58:43 | 経済学
 新型インフルエンザがもし流行すれば日本では十分な手が打たれていないので危ないですよと昨晩の「朝日二ユースター」『ニュースの深層』というケーブルテレビの番組で、公衆衛生研究所の岡田晴恵さんという方が警告しておられた。
 1957年のアジア風邪、1968年のホンコン風邪程度の被害は想定しているが、世界で3000万人以上の犠牲者を出した1910年のスペイン風邪以上のパンデミック(大流行)に発展する事態は日本では想定していないそうだ。
 いま世界経済で起っている金融不安は経験がない悪性のインフルエンザにかかったようなものである。既定のワクチンでは効果がない。短期間に爆発的に病人が増える。つぎつぎパニックが広がる。パニックが悪の連鎖を招き、益々病状は悪化する。
 11月12日のNY株式市場では、NYダウが前日比411ドル下げ8,282ドルで取引を終了した。米小売大手のベストバイのCEOが、米国の消費者の購買態度が基本的に変わった。過去経験したことがないとの発言をきっかけに売られ、前日比8%値下がりした。デパート大手のメイシーが7~9期決算で赤字を発表後、株価は11%値下がりした。
 クレディツトカードといえば世界の誰もがアメリカンエクスプレスという。その会社が、米国政府に35億ドルの資本注入を要請した。アメリカンエクスプレスおまえもかと米国の金融危機の底の深さを思い知らされた投資家が投売り、株価は前日比10.5%値下がりした。
 NY原油先物市場では、米エネルギー情報省が2009年の原油需要は微増に止まると発表したことを材料に売られ、WTI相場は前日比3.17ドル安のバレル56.16ドル、ブレント相場は3.34ドル安、バレル52.37ドルで取引を終了した。
 OPECは12月17日臨時総会を開きさらなる減産を協議すると伝えられるが、目先の売り先行の動きに抗し切れずパニック売り状態からWTI50ドル割れも視野に入ってきた。
 NY外国為替市場では、英国のキング総裁がポンド下落はサプライズでないと発言したことをきっかけに売りが売りを呼び、1英ポンド=1.4896ドルと6年ぶりの安値に転落した。今朝のブルムバーク通信では1ポンド=1.40ドルも時間の問題だと解説していた。ポンド安がユーロ相場にも伝染したのかユーロも売られ1ユーロ=1.2466ドルまで値下がりした。
 ヘッジファンドはじめ世界の多くの金融機関は円を借りて利回りの高いポンドやユーロを買っていた。ポンド、ユーロだけではない。豪ドル、NZドルなど高利回り通貨売りという名のインフルエンザが大流行を始めている。
 米ドルは対ユーロでは値上がりしているが、対円では大きく値下がりし、1ドル=94.48円で取引された。主要通貨に対して円相場を並べてみると、1ユーロ=118.32円、豪ドル=60.35円、NZドル=53円、英ポンド=141.46円でそれぞれ取引された。
高利回り通貨は値上りしますよと金融機関に奨められてその気になった個人投資家は日本でも多い。短期間で大幅な値下りは正に悪性インフルエンザにかかったようなものだろう。
田中貴金属工業の発表として10月の個人向け投資用のプラチナ地金の販売量が前年同月比17.6倍と出ていた。2200ドルだった国際相場が833ドルへ下がった結果である。
ゼロ同然の異常な日本の金利が如何に罪深いことかを冷静に受け止めて欲しい。(了)

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