ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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世界金融不安再燃で、NYダウ176ドル安、NY原油59ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-11-12 12:30:24 | 経済学
 NY株式市場では、アメリカンエクスプレス、スターバックス株が個人消費落ち込みから、エクソンは原油需要減退懸念からそれぞれ値下がりして、相場全体の地合いを悪くさせ、NYダウは前日比176ドル安、8,693ドルで取引を終了した。
 NY原油先物市場では、WTI相場が、中国景気が冷え込むとの懸念が再び台頭し、2007年3月以来初のバレル60ドル割れとなる59.33ドルで取引を終了した。12月物ブレント相場はバレル55.71ドルで取引された。原油相場の先安感が頭をもたげてきたようだ。
NY外国為替市場では、欧州景気悪化、追加利下げ期待からユーロが対ドルで売られ、1ユーロ=1.2539ドルで取引された。対円でユーロは1ユーロ=122.65円で取引された。ドルは対円ではまちまちの動きで推移した。1ユーロ=100円の見方もあり油断できない。
外国為替市場では、資源通貨と呼ばれるカナダドル、豪州ドル、NZドルの値下がりが目立った。豪州ドルは1豪ドル=64セント、1NZドル=56セントへそれぞれ値下がりした。豪ドルは7月中旬以降30%、NZドルは25%それぞれ値下がりした。カナダドルは10月にはいってからだけで12%値下がりして3年分の上昇を全て吐き出した。
今朝のWSJ紙は、資源通貨は原油、銅、穀物などの資源価格の先行指標であり、資源通貨の値下がりはさらなる資源価格の値下がりを示唆している。豪ドルは50セントまで値さあがりするだろうと一部のアナリストの見方を紹介している。
日本では個人投資家が資源高の流れを受けて金融機関に奨められるまま値上がりを期待して、豪ドル、NZドルなど資源通貨を買い大きな損失を出した。元凶は異常な低金利である。11月12日から定期預金金利は1年物で0.1%、2年物以上で0.15%引き下げられる。
今朝8時半のNHKテレビをたまたま見ていたらイギリスのブラウン首相が週末ワシントンで開かれるG20の会合では各国が協調して世界的な金融不安に対処すべきであると強調していた。これ以上日本に何が出来るのか。欧米の口車に乗せられて国ごと底なし沼にずるずると引き込まれて命を落さないようにすることだけの最低の心構えが日本政府に必要だ。
日本人の相場オンチにについてたまたま読んでいた「幕末の外交官 森山栄之助」(江越弘人著、「弦書房」発行:電092-726-9885・福岡市中央区大名)で面白い記述を発見した。
森山栄之助は、開国=日米通商条約締結の際、米側代表ハリスと差しで渡り合った通訳である。彼が残した日記の中に、日本と世界との間で金と銀の評価に大きな差があった。それを無視して通貨交換の条約文を作成したというくだりがある。
江戸時代の通貨制度では一分銀四枚で金一両を交換していた。当時、世界の相場では金と銀との価値は1対15だった。通商条約締結後、1対5で交換できたから、欧米の商人は大儲けした。日本から金が大量流失し物価が急騰,暮らしは困窮、幕府倒壊の原因の一つになったと著者の江越弘人氏は紹介している。
日本の短期の政策金利は年0.3%へ先日引き下げられた。にもかかわらず今朝NY外国為替市場で円買いユーロ売りが進んだ。米国も弱いが欧州はこれから悪くなると読んで欧米の金融機関はじめヘッジファンドは円買いへ再びにスタンスを変えてきたのかもしれない。
G20では相場オンチは舞台の袖に隠れて成り行きを見守るのが身のためであろう。(了)

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