GMとクライスラーの合併話が最近、日本の新聞にも掲載されるようになった。GMといえば米国のシンボルのような企業である。外国の動きに興味のない日本人でも多少関心があるかもしれない。米国の新聞には毎日のように紹介されている。米国人にとっては他人事ではないのであろう。
米ミシガン、デラウエア、ケンタッキー、NY,オハイオ、サウスダコタ6州の知事が連名でポールソン米財務長官とバーナンキ米FRB議長宛に米国の自動車業界に直接的に資金供給を要請する書簡を送ったと10月30日付けのWSJ紙が報じている。
「米国の自動車産業は、直接的に35万5000人を雇用し、関連産業の雇用者数は450万にのぼる。原料である鉄鋼、銅、プラスチックス、ゴム、エレクトロ二クス、コンピューターなど関連産業は広範囲にわたっている。部品メーカーから1,560億ドル(15兆3,000億円)購入している。外国メーカーも影響を受ける。」と冒頭に書いた。
「200万人以上の退職者及び地域住民がリスクに曝されている。特に自動ローンでファイナンスされている影響で、販売が急減している。9月の販売は前年同月比26.6%減少、10月は1983年以降最大の30%の減少が予測される。」と危機感を訴えている。
GMとクラスラーの合併が実現すればむしろ数万人の職が奪われる。一部のアナリストによれば、フォードも合併の相手先を求めることを余儀なくされるとWSJ紙は指摘した。ビッグ3がビッグ2になるかもしれない。トヨタ、ホンダ、日産も安閑とできないだろう。
一方、日銀が昨日、政策金利を0.2% 下げ年0.3%とすることを決めた。日本の利下げ発表後の10月31日のNY外国為替市場では、1ユーロ=1.2738ドル、1ドル=98.53円、1ユーロ=125.50円と目立った値動きは見られなかった。マーケットの折込済みの範囲内だったのかもしれない。
ECB(欧州中央銀行)、イングランド銀行がともに、景気悪化とインフレ懸念後退を理由に追加利下げを実施すると見られている。いずれも年4%前後の金利であるから下げしろは十分残しているから、対欧州通貨では日本円も米ドルも値上りの可能性を残している。
自国通貨の値打ちが上れば外国から安く物が買える。出光興産がガソリンの卸値をリッター4.2円下げると昨日発表した。新聞各紙はガソリンが上るときは一面トップである。下げるときは数行で扱いも小さい。円値上がり、ガソリンの値下がりをなぜ喜ばないのか。
今回の日銀の利下げで家計が受け取る金利収入は年間で2兆3000億円減るが住宅ローン金利低下などで家計の負担が7,700億円減ると今朝の讀賣新聞に出ていた。一端金利を下げると次に上げるとなると事実上不可能に近い。ボディーブローよろしく家計に響く。
体温計は最高の体温で止まる。最低寒暖計は最低温度を記録する。値下げも利下げと同じで、一端下げると元に戻すことは容易なことでは出来ない。老化現象も同じである。一端怠け癖がついてしまうと容易に元の生活を戻せない。老人になればなるほど努力が必要になる。
GMを見るまでもなく米国人は借金に対して怠け癖がついてしまった。米FRBはなりふり構わず輪転機を回し続けるが、利下げで一時の安らぎを得ても、最も恐ろしい通貨暴落の憂き目に遭うだろう。円高、原油下げは天恵である。生かさない手はないではないか。(了)
米ミシガン、デラウエア、ケンタッキー、NY,オハイオ、サウスダコタ6州の知事が連名でポールソン米財務長官とバーナンキ米FRB議長宛に米国の自動車業界に直接的に資金供給を要請する書簡を送ったと10月30日付けのWSJ紙が報じている。
「米国の自動車産業は、直接的に35万5000人を雇用し、関連産業の雇用者数は450万にのぼる。原料である鉄鋼、銅、プラスチックス、ゴム、エレクトロ二クス、コンピューターなど関連産業は広範囲にわたっている。部品メーカーから1,560億ドル(15兆3,000億円)購入している。外国メーカーも影響を受ける。」と冒頭に書いた。
「200万人以上の退職者及び地域住民がリスクに曝されている。特に自動ローンでファイナンスされている影響で、販売が急減している。9月の販売は前年同月比26.6%減少、10月は1983年以降最大の30%の減少が予測される。」と危機感を訴えている。
GMとクラスラーの合併が実現すればむしろ数万人の職が奪われる。一部のアナリストによれば、フォードも合併の相手先を求めることを余儀なくされるとWSJ紙は指摘した。ビッグ3がビッグ2になるかもしれない。トヨタ、ホンダ、日産も安閑とできないだろう。
一方、日銀が昨日、政策金利を0.2% 下げ年0.3%とすることを決めた。日本の利下げ発表後の10月31日のNY外国為替市場では、1ユーロ=1.2738ドル、1ドル=98.53円、1ユーロ=125.50円と目立った値動きは見られなかった。マーケットの折込済みの範囲内だったのかもしれない。
ECB(欧州中央銀行)、イングランド銀行がともに、景気悪化とインフレ懸念後退を理由に追加利下げを実施すると見られている。いずれも年4%前後の金利であるから下げしろは十分残しているから、対欧州通貨では日本円も米ドルも値上りの可能性を残している。
自国通貨の値打ちが上れば外国から安く物が買える。出光興産がガソリンの卸値をリッター4.2円下げると昨日発表した。新聞各紙はガソリンが上るときは一面トップである。下げるときは数行で扱いも小さい。円値上がり、ガソリンの値下がりをなぜ喜ばないのか。
今回の日銀の利下げで家計が受け取る金利収入は年間で2兆3000億円減るが住宅ローン金利低下などで家計の負担が7,700億円減ると今朝の讀賣新聞に出ていた。一端金利を下げると次に上げるとなると事実上不可能に近い。ボディーブローよろしく家計に響く。
体温計は最高の体温で止まる。最低寒暖計は最低温度を記録する。値下げも利下げと同じで、一端下げると元に戻すことは容易なことでは出来ない。老化現象も同じである。一端怠け癖がついてしまうと容易に元の生活を戻せない。老人になればなるほど努力が必要になる。
GMを見るまでもなく米国人は借金に対して怠け癖がついてしまった。米FRBはなりふり構わず輪転機を回し続けるが、利下げで一時の安らぎを得ても、最も恐ろしい通貨暴落の憂き目に遭うだろう。円高、原油下げは天恵である。生かさない手はないではないか。(了)