経済とからだの健康とは共通点が多い。今回の不況が何が原因で起こったのか。住宅バブルが崩壊した結果である。住宅価格が下がり続けている限り経済の回復にはそれ相当の時間を要する。
米不動産協会は、2月12日、08年10~12月期の米住宅価格が前年同期比12%減と過去最大の下げ幅を記録した。住宅ローンの債務不履行比率が45%に達し、差し押さえ物件が増加したと発表した。
オバマ米大統領が出した処方箋に米議会が注文を付け、妥協の産物として総額7,890億ドル規模の景気対策がようやくまとまった。財政悪化を懸念した共和党の意見を取り入れたことで規模が大幅に縮小された。ガイトナー新財務長官が税金未納問題で議会の正式承認が遅れたこともオバマ景気対策に水を差したと近着の二ユーズウイーク日本版は指摘している。
2月12日の米株式市場は、景気対策法案が即効性に欠けるとしてネガティブな反応を示し、NYダウは一時前日比200ドル以上下げていた。ただ、引けかけて急速に値を戻し、前日比6ドル安の7,932ドルで取引を終了した。法案の成果を見極めようとする動きが出て買い戻しがはいったようだ。
NY原油(WTI)先物相場が一時32ドル台まで値下りしたが、34.61ドルで取引を終了した。米国の石油在庫の増加発表を嫌気した。それにしても良く下げたものだ。半年前原油はバレル200ドル突破かと騒いでいた。
一方、NY金先物相場が一時950ドルを突破して史上最高値オンス1,003ルが目前に迫ってきた。終値では前日比4.59ドル高いオンス945ドルで取引を終了した。銀相場も金につれ高オンス13ドル台まで上げてきた。このまま金相場が1,000ドルを突破してさらに上値を追いかけるかどうかは不透明だと今朝のWSJ紙は指摘している。
からだの健康でも似たような現象がしばしば起こる。急に熱を下げたりすると結果は決まってよくない。特に血圧を薬で上げたり下げたりすると副作用が必ず出る。お金は臆病な生き物である。相場は意外にもの知りだから行き過ぎたなと体が感じると値下がりするケースが多い。相場は相場に聞けと言われるのもそのためだ。
NY外国為替市場では、ユーロがECBが追加利下げするとの思惑から売られ、1ユーロ=1.2790ドルとドルは対ユーロでは堅調であるが、対円では弱い。ドル=90円割れ寸前まで売られたが、株価が戻りに連動し91円まで戻した。
ユーロ売りの背景の一つにECB月報で、EUのインフレ率が当初の2.2%を0.9%へ引き下げ、08年のGDP成長率を当初の年2.0%を1.6%へ下方修正していたことが材料にされたと今朝のブルームバーグが解説していた。成長が鈍化してインフレ率が下がればその分利下げがやり易い。ECBの政策金利1.0%が見えてきた。安全資産として株が売られ反対に金が買われる。安全通貨としては日本円が買われるとの思惑が底流を流れている。
抗がん剤を服用すればガンが完治するほど世の中甘くない。薬には必ず副作用を伴う。米景気刺激策も同じであろう。まどろかしいようだが米住宅価格がいつ下げ止るか。金融機関の貸しはがしがいつ収まるのか。それ次第だろう。(了)
米不動産協会は、2月12日、08年10~12月期の米住宅価格が前年同期比12%減と過去最大の下げ幅を記録した。住宅ローンの債務不履行比率が45%に達し、差し押さえ物件が増加したと発表した。
オバマ米大統領が出した処方箋に米議会が注文を付け、妥協の産物として総額7,890億ドル規模の景気対策がようやくまとまった。財政悪化を懸念した共和党の意見を取り入れたことで規模が大幅に縮小された。ガイトナー新財務長官が税金未納問題で議会の正式承認が遅れたこともオバマ景気対策に水を差したと近着の二ユーズウイーク日本版は指摘している。
2月12日の米株式市場は、景気対策法案が即効性に欠けるとしてネガティブな反応を示し、NYダウは一時前日比200ドル以上下げていた。ただ、引けかけて急速に値を戻し、前日比6ドル安の7,932ドルで取引を終了した。法案の成果を見極めようとする動きが出て買い戻しがはいったようだ。
NY原油(WTI)先物相場が一時32ドル台まで値下りしたが、34.61ドルで取引を終了した。米国の石油在庫の増加発表を嫌気した。それにしても良く下げたものだ。半年前原油はバレル200ドル突破かと騒いでいた。
一方、NY金先物相場が一時950ドルを突破して史上最高値オンス1,003ルが目前に迫ってきた。終値では前日比4.59ドル高いオンス945ドルで取引を終了した。銀相場も金につれ高オンス13ドル台まで上げてきた。このまま金相場が1,000ドルを突破してさらに上値を追いかけるかどうかは不透明だと今朝のWSJ紙は指摘している。
からだの健康でも似たような現象がしばしば起こる。急に熱を下げたりすると結果は決まってよくない。特に血圧を薬で上げたり下げたりすると副作用が必ず出る。お金は臆病な生き物である。相場は意外にもの知りだから行き過ぎたなと体が感じると値下がりするケースが多い。相場は相場に聞けと言われるのもそのためだ。
NY外国為替市場では、ユーロがECBが追加利下げするとの思惑から売られ、1ユーロ=1.2790ドルとドルは対ユーロでは堅調であるが、対円では弱い。ドル=90円割れ寸前まで売られたが、株価が戻りに連動し91円まで戻した。
ユーロ売りの背景の一つにECB月報で、EUのインフレ率が当初の2.2%を0.9%へ引き下げ、08年のGDP成長率を当初の年2.0%を1.6%へ下方修正していたことが材料にされたと今朝のブルームバーグが解説していた。成長が鈍化してインフレ率が下がればその分利下げがやり易い。ECBの政策金利1.0%が見えてきた。安全資産として株が売られ反対に金が買われる。安全通貨としては日本円が買われるとの思惑が底流を流れている。
抗がん剤を服用すればガンが完治するほど世の中甘くない。薬には必ず副作用を伴う。米景気刺激策も同じであろう。まどろかしいようだが米住宅価格がいつ下げ止るか。金融機関の貸しはがしがいつ収まるのか。それ次第だろう。(了)