NY原油(WTI)4月先物相場が、3月12日、前日比バレル4.70ドル、11%上げてバレル47.03ドルで取引された。非OPECロシアが3月15日開催予定のOPEC総会を控えて連携を強化し、「協調減産」するとの思惑が流れたと今朝のWSJ紙は解説した。
OPECは昨年9月、目標生産枠から日量470万バレル(世界需要の約5%)減産を既に発表している。今回の総会でさらに日量150万バレルの減産に踏み切るかが当面の鍵とみられている。
この日の原油急反発には、米国の天然ガス在庫が予測の1,050億立方フィート減が1,121億フィート減になると米エネルギ―省が予測を修正したこと、加えて米商務省が2月の米小売高がアナリスト予測の0.4%減に反して0.1%減にとどまったことも原油相場の反発を助けたと今朝のWSJ紙は解説している。
ただ、米国経済の実態はなんら改善していない。先週末締めの新規失業保険申請件数は9,000件増え65万4,000件と1982年10月来最高レベルに達した。住宅の値段は下がり続けている。住宅差し押さえ物件は増加している。今回の世界金融危機は米国の住宅バブルがはじけたことが発端だった。米住宅の差し押さえが減り、銀行がお金を貸し始めない限り信用できない。
3月12日、スイス中央銀行は、政策金利を0.5%から0.25%へ引き下げを発表し、同時にスイスフラン売り介入すると異例の発表を行った。日本では今一つ正確に伝わっていないが、欧州なかでも東ヨーロッパ経済とも連動して、予想以上に深刻な状態に発展していることがうかがうことができる。
スイスフラン売りの波余を受けて、一時、1ドル=95円台まで買われていた日本円が、再び1ドル=98円台へ急落した。G20の週末の会合を控えて、日銀の金融政策に変化がでるとの思惑が生まれているとWSJ紙は解説している。
ただ、スイス銀行が独自の判断で動いたのか。それともG20を控えて金融不安鎮静化に向けて足並みを揃えるために利下げと併せて公然と為替介入に踏み切ったのかは定かでない。
NYダウが前日比239ドル高、3.5%反発、7,170ドルと7,000ドル台へ戻したことも原油急反発を側面援助したようだ。NY金相場もトロイオンス20ドル反発、924ドルで取引された。エコノミストはなにかと理屈をつける。しかし、水鳥は「えさ場」と嗅ぎつければ移動する。
この日の原油相場急反発もOPECの足並みが揃うことが前提にある。まずはバレル50ドルへの相場復帰を目指して結束を目指す。原油・天然ガスに国家財政の過半を依存するロシアが原油相場反発に期待している。水鳥が「原油市場」を少なくとも現時点で「えさ場」と嗅ぎつけたので、集まったのであろう。「餌がない」と思えば断りなく逃げるであろう。
新着の二ユーズウイーク日本版は、「エコノミストは(野球でいえば)せいぜい2割打者」「外れっぱなしの予測」と専門家のメッキがはがれたとエコノミストを酷評している。「彼らは知能指数が高く、知識も豊富だ。だが、人生の謎に対する畏敬の念がたりないのではないか」とのシカゴ大学の社会学教授だった故エドワード・シルス氏の言葉を紹介している。
同誌は著名投資家のウオ-レン・バフエット氏のが投稿原稿を掲載している。「喝采を浴びるような投資行動には気をつけたほうがいい。偉大な投資判断は、通常、あくびを誘うほどつまらないものだからだ。」ということばで文を結んでいる。
NY原油(WTI)相場は急反発した。このさき50ドル、60ドル、70ドルと値を上げていく保証はなにもない。NYダウは7000ドルを回復した。これも同じで8000ドル、9000ドルへ向けての第一歩であると誰も断言できない。
たかが相場、されど相場。相場の世界から学ぶことは結構多いのではなかろうか。(了)
OPECは昨年9月、目標生産枠から日量470万バレル(世界需要の約5%)減産を既に発表している。今回の総会でさらに日量150万バレルの減産に踏み切るかが当面の鍵とみられている。
この日の原油急反発には、米国の天然ガス在庫が予測の1,050億立方フィート減が1,121億フィート減になると米エネルギ―省が予測を修正したこと、加えて米商務省が2月の米小売高がアナリスト予測の0.4%減に反して0.1%減にとどまったことも原油相場の反発を助けたと今朝のWSJ紙は解説している。
ただ、米国経済の実態はなんら改善していない。先週末締めの新規失業保険申請件数は9,000件増え65万4,000件と1982年10月来最高レベルに達した。住宅の値段は下がり続けている。住宅差し押さえ物件は増加している。今回の世界金融危機は米国の住宅バブルがはじけたことが発端だった。米住宅の差し押さえが減り、銀行がお金を貸し始めない限り信用できない。
3月12日、スイス中央銀行は、政策金利を0.5%から0.25%へ引き下げを発表し、同時にスイスフラン売り介入すると異例の発表を行った。日本では今一つ正確に伝わっていないが、欧州なかでも東ヨーロッパ経済とも連動して、予想以上に深刻な状態に発展していることがうかがうことができる。
スイスフラン売りの波余を受けて、一時、1ドル=95円台まで買われていた日本円が、再び1ドル=98円台へ急落した。G20の週末の会合を控えて、日銀の金融政策に変化がでるとの思惑が生まれているとWSJ紙は解説している。
ただ、スイス銀行が独自の判断で動いたのか。それともG20を控えて金融不安鎮静化に向けて足並みを揃えるために利下げと併せて公然と為替介入に踏み切ったのかは定かでない。
NYダウが前日比239ドル高、3.5%反発、7,170ドルと7,000ドル台へ戻したことも原油急反発を側面援助したようだ。NY金相場もトロイオンス20ドル反発、924ドルで取引された。エコノミストはなにかと理屈をつける。しかし、水鳥は「えさ場」と嗅ぎつければ移動する。
この日の原油相場急反発もOPECの足並みが揃うことが前提にある。まずはバレル50ドルへの相場復帰を目指して結束を目指す。原油・天然ガスに国家財政の過半を依存するロシアが原油相場反発に期待している。水鳥が「原油市場」を少なくとも現時点で「えさ場」と嗅ぎつけたので、集まったのであろう。「餌がない」と思えば断りなく逃げるであろう。
新着の二ユーズウイーク日本版は、「エコノミストは(野球でいえば)せいぜい2割打者」「外れっぱなしの予測」と専門家のメッキがはがれたとエコノミストを酷評している。「彼らは知能指数が高く、知識も豊富だ。だが、人生の謎に対する畏敬の念がたりないのではないか」とのシカゴ大学の社会学教授だった故エドワード・シルス氏の言葉を紹介している。
同誌は著名投資家のウオ-レン・バフエット氏のが投稿原稿を掲載している。「喝采を浴びるような投資行動には気をつけたほうがいい。偉大な投資判断は、通常、あくびを誘うほどつまらないものだからだ。」ということばで文を結んでいる。
NY原油(WTI)相場は急反発した。このさき50ドル、60ドル、70ドルと値を上げていく保証はなにもない。NYダウは7000ドルを回復した。これも同じで8000ドル、9000ドルへ向けての第一歩であると誰も断言できない。
たかが相場、されど相場。相場の世界から学ぶことは結構多いのではなかろうか。(了)