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相場が休みたがっている?NYダウ82ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2009-07-01 09:40:53 | 経済学
今朝のWSJ紙に、「アメリカの弱いデータがドル相場を押し上げた」という見出しの記事が出ていた。リスクのあるユーロや円を買っていたが、再び安全パイとして米ドルをこの日の投資家は買っていたと説明していた。

アメリカの弱いデータとはなにか。民間調査機関のコンフエレンス・ボードが、6月のアメリカの消費者信頼感指数が、5月の54.8から、さらに予測の56からも大きく下回る、49.3へ低下したと発表した。

今朝のアメリカCNNテレビを見ていたら、コロラドで開かれている金融関係者の集まりで、ポールソン前財務長官が姿を見せ、「一部に改善は見られるが、まだ森から出ていない」と語ったと画面のテロップで流していた。

果物でも、少し色づいているから、まあ、いいだろうと、いざ手に取って食べてみると、見かけ以上に固かったり、酸っぱかったりすることはよくある。一度からだを壊すと、なかなか本復しない。頭では分かっていても、現実と希望は天と地の差がある。

6月30日のNYダウは、弱い信頼感指数を見て、前日の上げ分をそのまま吐き出す82ドル安、8,447ドルで取引を終了した。NY原油(WTI)先物相場も、前日比バレル1.60ドル安、69.89ドルで取引を終了した。

アメリカに3年間住んでいた時のことを時々思い出す。7月に入れば、アメリカ人は夏休みムードに一変する。ワシントンDCには、ホワイトハウスはもちろんのこと、スミソニアン博物館、リンカーンメモリアルなど観光の目玉が多く、観光客がどっと増える。

NY証券取引所もシカゴ商品先物取引所もそれは同じで、商売は二の次、三の次になる。結果出来高が減る。特に今年は3月を底に株も商品も結構いい商売になったと今朝のNHK・BS「おはよう世界」が紹介するブルームバーグが伝えていた。

それでもNY株価は底値からせいぜい10%そこそこの値上がりだが、原油(WTI)相場は最安値から6割以上も上げた。4~6期だけでも41%上げたと今朝のWSJ紙は上げのテンポが余りにも急激だと指摘している。

イソップのカエルの話が教えているように、モア、モアとやっているとお腹がパンクする。からだも経済も同じである。特に相場の世界では、休みたがっているときは休むに限る。そこを無理して走ると転倒する。病上りで転ぶと、治りかけた病気まで一層悪化させる。日本人にはピンとこないが、世界は休みモードに入ったことを認識すべきだろう。(了)

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