「日本株が魅力的な理由」と題して、ニューズウイーク日本版(8月5日付け)に、バートン・ビッグス氏(ヘッジファンド「トラクシス・パートナーズ」マネジングパートナー)が、日本株はお勧めと、刺激的な言葉を並べて書いた、ガイジンさんの記事を読んだ。
当のニューズウイークは、前号でも日本を取り上げ、「ズバリ物を言わない日本のエコノミスト」と、辛口の日本探訪記を掲載していた。2週続けての日本関連記事の掲載は、アメリカ人が日本を見直してみようとする動きが底流ではじまりつつあるのかもしれない。
「永遠の割安株」と敬遠されがちな日本株だが、活気づくアジア諸国に刺激されて上昇に転じる可能性もあると、タイトルの下に付けた小見出しは多少控えめだ。しかし、「一般投資家が戻ってきた」ということと「政権交代がチャンスに?」と、民主党が政権を握れば、それを維持するために株式市場を活気づける必要があると書いた。
記事は、「アジアが世界経済の回復をリードし株式市場が活況を呈するなか、アジア経済の巨人である日本が勢いを失っているのは興味深い現象だ」という皮肉たっぷりな文章ではじまる。ただ、自分の国が巨人だと書かれても、多くの日本人はぴんと来ないだろう。
「日本株は4つの「U」―低い保有率(underowed),過小評価(undervalued),敬遠(unloved).魅力がない(ugly)―に苦しめられていると文は続く。(中略)「多くの点から見て日本株は安すぎると筆者は考えている」と書いた。
やや専門的になるが、「日本市場を全体で見ると、株価純資産倍率は1.3倍(アメリカは2倍、日本はかって5倍だった、)株価売り上げ倍率は0.5倍だ。株価判断基準としてこの2つが安定はしており、最も優れていると考えている」と筆者のビッグズ氏は書いた。
「日本は今でも極めて豊かな国だ。世界最大の債権国(対外純資産はGDPの約44%)であり、純所得に対する家計純資産の割合がどの主要国より高い。日本の一般家庭の主婦がもっと投資に積極的になれば、株価は大きく押し上げられるだろう」と極めて元気がいい。
このくだり、日本では、財布はお父さんではなく、家庭のオバサンが握っていることも、筆者のビッグズ氏は、先刻ご承知なのかもしれない。
株価値下がりで、企業年金だけでなく全ての年金ファンドの運用資金が底をつき始めた。将来の生活不安を取り除くのが政治である。8月30日に審判が下されるが新政権が過去のしがらみにとらわれずにどこまで真剣に株価対策に取り組めるかも注目される。ガイジンさんに尻を叩かれて動くようでは情けないが、日本人自身こそ自らを見直して欲しい。(了)
当のニューズウイークは、前号でも日本を取り上げ、「ズバリ物を言わない日本のエコノミスト」と、辛口の日本探訪記を掲載していた。2週続けての日本関連記事の掲載は、アメリカ人が日本を見直してみようとする動きが底流ではじまりつつあるのかもしれない。
「永遠の割安株」と敬遠されがちな日本株だが、活気づくアジア諸国に刺激されて上昇に転じる可能性もあると、タイトルの下に付けた小見出しは多少控えめだ。しかし、「一般投資家が戻ってきた」ということと「政権交代がチャンスに?」と、民主党が政権を握れば、それを維持するために株式市場を活気づける必要があると書いた。
記事は、「アジアが世界経済の回復をリードし株式市場が活況を呈するなか、アジア経済の巨人である日本が勢いを失っているのは興味深い現象だ」という皮肉たっぷりな文章ではじまる。ただ、自分の国が巨人だと書かれても、多くの日本人はぴんと来ないだろう。
「日本株は4つの「U」―低い保有率(underowed),過小評価(undervalued),敬遠(unloved).魅力がない(ugly)―に苦しめられていると文は続く。(中略)「多くの点から見て日本株は安すぎると筆者は考えている」と書いた。
やや専門的になるが、「日本市場を全体で見ると、株価純資産倍率は1.3倍(アメリカは2倍、日本はかって5倍だった、)株価売り上げ倍率は0.5倍だ。株価判断基準としてこの2つが安定はしており、最も優れていると考えている」と筆者のビッグズ氏は書いた。
「日本は今でも極めて豊かな国だ。世界最大の債権国(対外純資産はGDPの約44%)であり、純所得に対する家計純資産の割合がどの主要国より高い。日本の一般家庭の主婦がもっと投資に積極的になれば、株価は大きく押し上げられるだろう」と極めて元気がいい。
このくだり、日本では、財布はお父さんではなく、家庭のオバサンが握っていることも、筆者のビッグズ氏は、先刻ご承知なのかもしれない。
株価値下がりで、企業年金だけでなく全ての年金ファンドの運用資金が底をつき始めた。将来の生活不安を取り除くのが政治である。8月30日に審判が下されるが新政権が過去のしがらみにとらわれずにどこまで真剣に株価対策に取り組めるかも注目される。ガイジンさんに尻を叩かれて動くようでは情けないが、日本人自身こそ自らを見直して欲しい。(了)