ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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景気回復期待から、ドルは対ユーロで6週間来の安値、一方 NYダウは104ドル高

2009-07-21 09:41:38 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)


“Dollar Sinks to Six-Week Low”(ドル、6週間来の安値)という見出しの記事が、7月20日付けのWSJ紙に出ていた。記事の一行目には、CITグループの破産が回避できそうだということで、安全パイのドルが売られ対ユーロでドルが値下がりしたと書いてあった。

米国企業の4~6月期決算発表が予想を上回る結果だった。NYダウはこの日で6連騰、先週末比104ドル高い、8,848ドルで取引を終了した。原油(WTI)先物相場はバレル44セント上げ、63.93ドル、金先物もオンス11.30ドル上げ、948.50ドルで取引を終えた。

米国民間調査機関のコンフエレンスボードは、この日、6月の米国の景況感指数が月ベースで、予想を上回り、0.9%増加した。残るは、バ―ナンキ米FRB議長の今週、火曜、水曜に予定されている米議会での証言だけが不安材料だと今朝のWSJ紙は解説していた。

経済とからだの健康は共通点が多い。米国経済の健康状態を示す検査データを固唾をのんで見守っている。ところが、最近は、100年に一度の大恐慌だと青菜に塩だったひとの発言が消えた。米国の失業率は9.5%、10%を超えると見られている。ところが、悪い報せは無視する。世論調査では、オバマ経済政策不支持が5ポイント増えた。しかし、患者[アメリカ経済]の病状を心配する声が日を追って減ってきている。

米国経済の検査データは良い。しかし、NY外国為替市場ではドルが対ユーロで売られ1ユーロ=1.4229ドル、円も売られ1ユーロ=134.06円で取引された。ドル、円共に売られたのは、ゼロ金利通貨を売り、利回りの高い通貨が買われたからだとWSJ紙は解説した。

このところ商品市場に投機資金が流れ込み、商品相場に復活の兆しがみられるところから、ドルは、カナダドルに対して、先週末の1.16カナダドルからこの日は1.1022ドルまで値下がりした。カナダドルは俗に資源通貨と呼ばれるが、豪ドル、ブラジルレアルにも同じ傾向がみられる。

今朝のNHK・BS「おはよう世界」が紹介するブルームバーグも、この日のNYダウ上昇は、破産の危機にある大手金融機関CITグループが必要としている30億ドルのつなぎ融資のうち20億ドルを受けられることが決まったことを第一の理由に上げていた。

「ホワイトハウスの経済政策が機能している。景気回復には6~12ケ月を要するが、米国の雇用、生産とも改善している。アメリカ経済はもはや破たんしないだろう」と先のブルームバーグの番組に出演して、サマーズ氏が自画自賛していた。

からだも経済の健康も全て自己責任だ。免疫力をしっかりつけて不景気を乗り切ろう。(了)

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ここ1週間動意づいている商品相場は本物か?(学校で教えてくれない経済学)

2009-07-21 09:39:29 | 経済学
7月20日付のWSJ紙は、ロンドン発で、Andrea Hotter記者が、“How high is too high for commodities?”のタイトルで、ここ1週間でアルミ8.6%、銅9.7%、金2.7%,原油6.1%と商品相場が、景気回復の先行きを織り込見つつあるのか、動意づいてきているがどこまでの値上がりが見込めるかについては、多くのリスクを残していると指摘している。

日本では、商品相場に限らず、また相場の話しかと毛嫌いする人が多い。その一方で為替に限らず、騙される日本人が後を絶たない。今回の為替証拠金取引のケースのように、世の中、毎月20%も利益が増えるような甘い話など存在しない。にもかかわらず、大金をつぎ込んで失敗する。真っ青になって、訴訟まで起こす。しかし、時既に遅しである。

今回のサブプライムローン問題では多くのプロが倒産の憂き目に遭った。そのため、何かチャンスがあれば、損を取り戻したいと、投機的色彩は、むしろ強まっているように感じられる。米を先頭に、欧州、日本も巻き込んで、輪転機をフル回転して札びらをまき散らしている。金余りで行き場を失った資金が鵜の目タカの目で餌場探しに狂奔している。

この一週間にかぎってみれば、世界景気は目先多少の明るさは見えるが、その先どうかと言えば全く自信が持てない向きが、持ち高を積極的にはずして来ている。その一方で、絶好のチャンスとばかり、ゼロ同然の金利を利用して、満を持していた余裕資金を先物取引へ投入を開始した動きがみられると先のホッタ―記者は書いた。

ここ1週間で銅相場が10%近く値上がりした。伝えられるところ、中国の港で在庫が山積みされていた。ネズミ一匹残らず食べ尽くす中国人が、銅を食べ始めたという話は聞かない。投機資金を促した動きの一つに、中国の4~6月のGDPが前年同期比7.9%増加したことが引き金を引いたことが指摘出きるが持続性に疑問があるとWSJ紙は書いている。

足元の経済はどうか。アルミ世界トップのAlcoaが4~6期の決算を4,540億ドルの赤字と発表した。予測より良かったが依然巨額の赤字であることに変わりない。世界最大のプラチナメーカー、AngloPlatinumは今年上半期の利益は前年同期比75%減と予測した。

フランスの石油メジャー、TotalSAは、需要不振からヨーロッパのディーゼル油の在庫は山積みで、精製マージンは64%減少すると発表した。格付け会社のFitchは、欧州経済は、この先24ケ月はディスインフレ状態が続くと予測している。

中国が5月の米国債の購入を390億ドル,この内2年物国債が340億ドルと約80%を占める。中国全体では米国債を買い増しした。但しカメ(10年物)のウエートを極端に減らし、ウサギ(2年物)にシフトしたのなら油断ならない。魑魅魍魎の世界に騙されないことだ。(了)

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