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蚊が止まって血を吸っていたら払い落す感度程度はせめて持って欲しい、NYダウ258ドル安

2011-10-04 08:57:45 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



からだのどこ一つ悪くても元気が出ない。経済の世界でいま起こっている現象はギリシャ一国の症状が一向に良くならないために特に株式市場がガタガタになっていることに象徴的に表れている。今朝もギリシャからの悪い便りで、アジア株安、ヨーロッパ株安と来て、10月3日の週明けNY株式市場は、米経済統計で予想外の数字が出たにも関わらず、NYダウは先週末比258ドル、2.3%安、10,655ドルで取引を終了した。3日付けのWSJ紙電子版によれば、金融株が下げを主導したと書いていた。

ギリシャからの悪い便り。ギリシャ政府が、2011年のGDPに占める財政赤字額が、当初見通しの7.6%が8.5%へ拡大された。2012年のGDP見通しは当初6.5%減だった。それが6.8%減へマイナス幅が拡大した。2011年の赤字幅が拡大したのはGDP見通しをマイナス3.8%と予想していた。それがリセッションからマイナス5.5%へ拡大したためとギリシャ財務相が発表したとWSJ紙が解説していた。

朝6時、いつもの「ワールドWaveMorning」は米大リーグの放送のためお休み。このあたりにも視聴者の優先順位が正直に出ている。それでやむなくと言うわけでもないがテレビ東京系の「モーニングサテライト」を見た。同番組にこの日出演したシュナイダ―恵子氏は「NYダウは、はじめ米経済指標が比較的良好とみて高く始まったが、ギリシャデフォルト懸念から一転して売り一色となり、引けにかけて下げ足を早めた。住宅ローン金利が4%台に低下した。ところが銀行の貸し渋りが依然続いており、高い金利を出さないと銀行はお金を貸してくれない状態が続いている」と解説していた。

NHKBSの朝5時台放送のドイツZDFがギリシャで連日続けられる公務員ストの様子を紹介していた。ギリシャ政府はGDPに占める赤字額が8.5%に達すると赤字予想を拡大した。ドイツの大物国会議員がギリシャの財政の現状は深刻でこのままでは乗り切れない。もはや堪忍袋の緒が切れた。ギリシャに融資を続けているが、長期的には不可能だ。トンネルの出口が見えないからだと語ったと紹介していた。

CNBCによれば、NY原油(WTI)相場がバレル2.80ドル下げ、76.40ドルで取引を終えた。ドバイ原油も100ドルを割り98.7ドルで取引された。一方、NY金先物相場は、見直し買いが入りトロイオンス36.35ドル高、1,659.30ドルで取引されたと紹介していた。NY外国為替市場では、ギリシャ不安再燃からユーロが売られ、一時1ユーロ=1.30ドル台、1ユーロ=100円台までユーロが値下がりした。ユーロが対ドルで売られた結果、対円でドルは、1ドル=76.54ドル前後で堅調に推移している。

4日付けのCNBCAsiaMorningBrief電子版によれば、フランス・ベルギー系銀行、Dexiaがギリシャ危機の煽りを食って現金枯渇状態に入ったとフィナンシアルタイムズが伝えた。MorganStanleyが資金繰り懸念から株価が08年12月来の安値まで売られた。米航空大手AmericanAirlines は現時点では米破産法申請の予定はないと発表したにもかかわらず3日の株価は41%値下がりした。中国銀行が不良貸付けを材料に香港市場で売られ4.4%安、2年半来の安値まで値下がりした。

どれ一つとっても見過ごし出来ぬニュ-スである。日本の新聞の感度が悪いのか、それとも日本人全ての感度が悪いのか、日本で生活していると世界が伝える特に金融界の鬼気迫る緊迫感がまるで伝わって来ないのはなぜなのか。政治家もマスコミも期待できないなら、国民一人一人が、せめて蚊が止まっていたら払い落すくらいの感度程度は持って欲しい。(了)

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