神様は味なことをなさる。野球の話で恐縮だが、ひいきチームの雨の中の戦い振りをテレビ観戦していて思った。まず2回裏、ヒット、ヒットと出てワンアウト2塁3塁、あとの2人が凡退してゼロ。雨が激しくなった6回裏、今回は先の凡打した2人が名誉挽回とばかりヒット、二塁打でノ―アウト満塁、ベテラン2人を出して、代打攻勢をかけたがいずれも凡打、三振で得点ゼロ。その後雨が激しくなり、先取点を取られたひいきチームは負けた。
解説者の広沢克己さんは、クライマックスシリーズ(CS)進出がかかっているから阪神タイガースは若手に勉強の機会を与えられないとポツリ。練習も大事であるが、選手は試合に出てはじめて力が付く。甲子園球児もプロの選手もそれは同じのようだ。現場に出て仕事を身につけて行く。先の場面で代打に出たベテランのお2人が来年球場に姿を見せることはないだろう。肝心な時に仕事が出来なければひごろ頑張ったと言われても現実は厳しい。神様もお許しになるまい。そのあたりを曖昧模糊として見て見ぬ振りをして来たチームにご褒美はない。
16日の読売朝刊「地球を読む」というコラムに慶大教授の竹森俊平さんが、欧州経済危機で「遅すぎた公的資金注入」のタイトルの記事の中で「もともと借金を返す能力がない国を放置した。返済能力がそもそもない者に、いくら期限を延ばしても全額返済できない。このような借り手には、貸すのではなく、ただで与えること、つまり債務減免が必要だ」と書いておられた。
竹森教授は「ユーロ圏政府は、政治的に不人気な銀行への公的資金注入を避けた。市場は待てない。フランスベルギー銀行デクシアが倒産した。10月7日、ドイツ、メルケル首相は、ドイツ単独で銀行への公的資金投入を決めた。なぜ1年半前に打ち出せなかったのか」と書いておられた。15日、パリで開かれていたG20,主要20ケ国・地域財務相・中央銀行総裁会議は、お茶を濁して散会したと伝えられる。
「お茶を濁す」。広辞苑によれば「いいかげんにその場をごまかすこと」と出ていた。G20は打つ手なしだから「お茶を濁した」。そもそも借金を返せない者に期限を与えても返せない。以前にも書いた。また書いているとお叱りを受けそうだが、筆者が左目網膜剥離の手術を受けた時、主治医の当時、兵庫県立西宮病院、眼科部長、市橋賢治先生は「患者の目を見た時、治る病気か治らない病気かだいたい分かります。はじめから見せてもらっておれば治せた。いじくりまわされたあと来られても治しようがありません」とおっしゃった。
先の竹森教授は「ギリシャ救済の初動の遅れ」と「流動性の不足」の2つをユーロ圏の戦略の根本的誤りと指摘しておられた。「流動性の不足」とは平たく言えば、お金が潤沢に回らなくなることを意味する。お金はからだでいえば血液である。酸素と栄養を送る血液の循環が悪くなれば人は病気になる。日ごろから気をつけていても病気になる時はなるものだと豪語する人がおられる。しかし、振り返ればあの時、手を打っておけばよかったとほとんどの方がおっしゃる。先の市橋先生も「人間は突然、死なない。必ず事前に兆候が出ている」と話された。
日本画家、森田りえ子さんからひたすらスケッチしろと教えられた。現在、指導をうけている日本画家、猪熊佳子さんから、葉の一枚一枚、花の向き、茎が幹のどこから出ているか丁寧に観察しなさいと厳しく指導される。人生は日常にありと常々思う。ひいきチームのCS進出は残念ならがほぼ絶望的であるが、若い人材にチャンスを与える好機である。チームを一新して出直して欲しい。(了)
解説者の広沢克己さんは、クライマックスシリーズ(CS)進出がかかっているから阪神タイガースは若手に勉強の機会を与えられないとポツリ。練習も大事であるが、選手は試合に出てはじめて力が付く。甲子園球児もプロの選手もそれは同じのようだ。現場に出て仕事を身につけて行く。先の場面で代打に出たベテランのお2人が来年球場に姿を見せることはないだろう。肝心な時に仕事が出来なければひごろ頑張ったと言われても現実は厳しい。神様もお許しになるまい。そのあたりを曖昧模糊として見て見ぬ振りをして来たチームにご褒美はない。
16日の読売朝刊「地球を読む」というコラムに慶大教授の竹森俊平さんが、欧州経済危機で「遅すぎた公的資金注入」のタイトルの記事の中で「もともと借金を返す能力がない国を放置した。返済能力がそもそもない者に、いくら期限を延ばしても全額返済できない。このような借り手には、貸すのではなく、ただで与えること、つまり債務減免が必要だ」と書いておられた。
竹森教授は「ユーロ圏政府は、政治的に不人気な銀行への公的資金注入を避けた。市場は待てない。フランスベルギー銀行デクシアが倒産した。10月7日、ドイツ、メルケル首相は、ドイツ単独で銀行への公的資金投入を決めた。なぜ1年半前に打ち出せなかったのか」と書いておられた。15日、パリで開かれていたG20,主要20ケ国・地域財務相・中央銀行総裁会議は、お茶を濁して散会したと伝えられる。
「お茶を濁す」。広辞苑によれば「いいかげんにその場をごまかすこと」と出ていた。G20は打つ手なしだから「お茶を濁した」。そもそも借金を返せない者に期限を与えても返せない。以前にも書いた。また書いているとお叱りを受けそうだが、筆者が左目網膜剥離の手術を受けた時、主治医の当時、兵庫県立西宮病院、眼科部長、市橋賢治先生は「患者の目を見た時、治る病気か治らない病気かだいたい分かります。はじめから見せてもらっておれば治せた。いじくりまわされたあと来られても治しようがありません」とおっしゃった。
先の竹森教授は「ギリシャ救済の初動の遅れ」と「流動性の不足」の2つをユーロ圏の戦略の根本的誤りと指摘しておられた。「流動性の不足」とは平たく言えば、お金が潤沢に回らなくなることを意味する。お金はからだでいえば血液である。酸素と栄養を送る血液の循環が悪くなれば人は病気になる。日ごろから気をつけていても病気になる時はなるものだと豪語する人がおられる。しかし、振り返ればあの時、手を打っておけばよかったとほとんどの方がおっしゃる。先の市橋先生も「人間は突然、死なない。必ず事前に兆候が出ている」と話された。
日本画家、森田りえ子さんからひたすらスケッチしろと教えられた。現在、指導をうけている日本画家、猪熊佳子さんから、葉の一枚一枚、花の向き、茎が幹のどこから出ているか丁寧に観察しなさいと厳しく指導される。人生は日常にありと常々思う。ひいきチームのCS進出は残念ならがほぼ絶望的であるが、若い人材にチャンスを与える好機である。チームを一新して出直して欲しい。(了)