ミニバラ
江嵜企画代表・Ken
3年前、例の更地に植えたミニバラが今年は9月すぎにつぼみを
付け、10月に入ってから次々と花を咲かせ始めた。頃はよしと
土曜日の夕方、震災のあと放置していたビールケースをイス代
わりに座り、1時間ほどかけてスケッチした。
昨年までは花らしい花をつけなかった。レバートルフという固型の
肥料が彼女に合ったのかもしれない。チップなので手間が省ける。
肥やしは適宜やった。しかし、今年の夏を水なしで過ごした。
別の場所に同じように3年前に2本植えた椿の苗木には水を適宜
やった。しかし、今年1本枯らした。残った1本は一回り大きく
なり小さなつぼみを付けている。花をつけたらスケッチしたい。
正確な名前は忘れたが、札幌にある鮭博物館を訪れた時に聞いた
話がある。鮭は4年ごとにきっちり生まれ故郷に帰ってくるものと
ばかり思っていた。ところが違う。早い鮭は3年強で帰る。なんと、
5年で帰る子供がいる。時に7年、8年かけて戻って来る鮭もいる
と聞いて驚いた。
3年目に初めてまともな花をつけたミニバラを見ていて植物も
おなじだな、と札幌の鮭博物館の話を思い出した。
「おくて」という言葉がある。広辞苑によれば、①植物の比較的
遅く成長・成熟する品種。特に稲にいう。②転じて、成長・成熟の
遅い人。「おくて」は、漢字で奥手・晩生・晩稲と書くと出ていた。
「おくて」の子供を暖かく見守っていた世の中が懐かしい。(了)