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コダック破産のうわさは、日本の将来の他山の石か(学校で教えてくれない経済学)

2011-10-02 12:32:01 | 経済学
米写真用品大手、イーストマン・コダックが、9月30日、米連邦破産法を申請する考えがないと表明したと29日付けのWSJ紙電子版に出ていた。日本では9月30日の朝のNHKBSニュースで一言出ただけで、話題にさえなっていない。

コダックが危ないという話はアメリカでは、今に始まったことではないことが8月11日付けのWSJ紙記事を読んで初めてわかった。131年の歴史を持つコダックは、特に、ここ30年、経営立て直しでもがき苦しんでいた。2003年にライバル会社、米H-P(ヒュ―レットパッカ―社)から現CEO,AntonioPerezを迎え、H-P,Canon,SeikoEpsonとの値下げ競争で打撃を受けた本業のフイルム事業からプリンター事業への転換を目ざした。同時に化粧品、バス・クリ-ナー、医療検査機器事業など多角化を進めた。

1975年にはデジタルカメラに進出した。2008年以降の景気低迷の影響もあった。期待のプリンター事業の不振、株価低迷、社債暴落、莫大なパテント訴訟費用も重なって、今年に入って手持ち現金が枯渇、資金繰りにも窮する状態になっていたと書いていた。

コダックの本拠地、Rochesterには、2004年当時はまだ16,300人が働いていた。2010年にそれが7,100人に減った。同じ期間、海外では54,800人が18,800人に減った。退職者への年金給付も現在の資金繰りの負担になっていた。コダックは街全体が孤立した「insular corporate culture(島国企業文化)で、1990年代から外部から役員を入れた時「The Poisoned Inheritance(毒された遺産)」というレポートをまとめた。ほとんどの役員は読まなかったと元役員は話ってくれたとWSJ紙は書いていた。

そして今回の法律事務所ジョーンズ・ディと契約したニュースで、「コダック、破産申請か」とのうわさがウオール街を走った。株価は前日の9月29日、10%急落、1ドル74ドルまで値下がりした。30日は破さん申請のうわさで、78セントまで60%近く暴落した。コダック株が2ドルを割ったことは1950年代以降全くなかった。デフォルト(債務不履行)リスクと見たマーケットは投げ売りした。うわさは直後に否定された。株価は1.10ドルまで戻ったとWSJ紙は書いていた。

またまた40年前の古い話で恐縮だが、アメリカ滞在中、日本製の8ミリカメラを愛用していた。フイルムはアメリカではコダックフイルムしか買えなかった。いくらか忘れたが高いなという印象が残っている。フイルムやプリンター関係業界の方にとっては、今回コダック破たんのうわさと聞いても、今さらなにをトボケたことを言っているのかということになるのか、そのため日本ではニュースにもならないのかもしれない。

10月1日付けのWSJ紙によれば、今回コダックが契約したジョーンズ・ディ(Jones Day)法律事務所のCorinneBall弁護士は、リーマン破たん後、クライスラーを弁護した。格付け会社、ムーディーズ、フイッチ共にコダック債をジャンクボンド(紙くず)へ格下げしたと書いていた。アメリカで一時代を謳歌した企業がまた一つ消える可能性も無きにしも非ずである。

日米繊維交渉の時お世話になったダニエルズ弁護士から「アメリカはからだは大きいが島国だ」と言っていたことを思い出した。からだは威風堂々としているがその実、島国根性の持ち主で、小心者が多いことは日本でもよく見かける。特に日本の若者は、コダックの今回のニュ―スを「他山の石」として参考にして欲しい。(了)

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