第99回「直観塾」風景
江嵜企画代表・Ken
第99回「直観塾」を10月13日12時30分からお昼をはさんで3時まで開く、時間が許せば来ませんかと、塾長のSさんから案内をいただき楽しみにして出かけた。この日のテーマは、今自分が是非話したいことで、持ち時間10分で各人が自由に喋るという触れ込みだった。三々五々集まったとところをいつものようにスケッチした。
いきなり、尖閣諸島が出た。島を整地すれば3000メートルの滑走路が出来る。費用は全て日本政府持ちで完成後の暁には米軍に貸与し、普天間から米軍に移転してもらえばいいというアイデアまで飛び出した。台湾は島が欲しいのではない。漁業権が欲しいのだから日本にまとめる気さえあれば、話し合えば、問題が長期化しないと話した。中国との関係も、局地戦になれば現時点では日本に分がある。中国もその点は承知している。話し合いによる解決の余地は十分ある。中国も戦争は避けたいと思っているはずだと自説を披歴した。ちなみにMさんは国際的にも名の知れたプロのガラス工芸家である。
元商社マンのIさんは、科学は誰を対象、パートナーとして来たかと問題提起した。18世紀は神・教会、19世紀は軍、権力、20世紀に入り産業に変わった。21世紀は市民がパートナーになった。日本では特に3.11以降価値観が変わった。こんなことは日本では初めての事態である。原発はトイレ{廃棄物処理}問題に尽きる。今までは行政・産業がトイレを建設して来た。これからは、関与者は生活者となる。生活者の視点に立ってトイレをきれいに使い、掃除をすることから逃げられないと話した。
筆者は日本人の依存体質について話をした。寄らば大樹の陰と子供のころから親などから聞かされた。日本人の依存体質は四面環海という外敵にとってすこぶる攻めにくい環境で長年生きて来たことが影響している。守りにかけては、天才的に強い。しかし、攻めとなるとアイデアが浮かばない。日米同盟があっても当事者が自ら行動を起こさなければ、アメリカは動きようがないことを知るべきだと話した。
塾長のSさんがトリを勤め、消費専門の人間が生まれて以降、日本がおかしくなった。百姓という言葉は百の職能と書く。畑仕事は土方である。生産から河川管理-も含め全てやらないと百姓は成り立たない。トフラーは生産消費者と呼ぶ必要があると指摘している。これからは「消費の勧め」の時代から「 百姓の勧め」の時代だと話した。
ガラス工芸家のMさんは最近は大きな作品をつくれる職人がいなくなった。ガラスを膨らませて作品をつくるが、吹くタイミングが重要だ。どんなに力を入れて吹いても、タイミングを間違うといい作品は出来ないという言葉が特に印象に残った。収穫の多い「直観塾」にご案内いただいたSさんにひたすら感謝である。(了)