贈答のマナー
江嵜企画代表・Ken
西宮文化協会の10月行事として「マナー講習会」が、16日午後2時から、講師に田野直美、ト―タルマナー(株)代表取締役を迎えて開かれた。会場の様子をいつものようにスケッチした。ご婦人が多いとの筆者の予測は外れた。質疑応答でも熱心な殿方の姿が見られた。
金包みの知識、表書き、金包みのマナーで気を付けるべき点、贈る金額・品物の目安、踏まえておきたい贈り物のタブーなど身近な話題を、田野先生は、にこやかな表情を崩されず、具体的に、質問者を立てながら分かり易く説明された。
時代とともにマナーの中身は変わる。しかし、変わらないものは、相手を慮る心です、という言葉が印象的だった。慶事の場合、地方によって違いがある。縁起物だから失礼があると取り返しがつかない。 関東と関西で、水引の中身が違う。関西に「蝶結び」が入ってきたのはごく最近だそうだ。「蝶結び」は「ほどける」と言って、結婚祝いには使わない。また、「輪が、2つあるので重なる」と言って弔事、病気見舞いには使わないとの説明があった。
病気見舞いについては、入院直後や手術の直後は避け、家族から容体を聞いた上で見舞うのが原則。病気の詮索や、素人療法を口にしない。花は、鉢物「根(寝)つく」や、シクラメン、けし、椿、百合等はタブー。現金の場合は、のし(引き延ばす)のついていない無地が無難。病人は疲れやすいので、長居は禁物ということだった。
1時間半近くの話を紙一枚にまとめきれないが、マナーとは何かと問われたら、贈答の基本的な知識を身に付け、それぞれの立場、状況によって使い分ける。基本は、相手の気持ちに立って考えることではないかと、心しながら家路に着いた。いろいろなことを教えられた。講師の田野直美氏と「マナー講習会」を企画いただいた、西宮文化協会会長、山下忠男氏に感謝申し上げる次第である。(了)