フクシマの放射能汚染水は制御出来ないと東電は認めるべきだ：原子力規制委員長談

：6日付けＷＳＪ紙電子版（学校で教えてくれない経済学）


アメリカの首都、ワシントンDCが新たなNYを願っている。ここ1年で25軒のホテルが建ち、クレーンが林立している。レストランも大賑わいだ。失業率は5%と全米一低い。市が破産したデトロイトが同じアメリカかと信じられない。米景気回復を背景にワシントンに世界の資金が集まりはじめたと7日朝6時台放送のフランスF2が珍しく景気のいい話を紹介していた。40数年前、べトナム戦争最中のワシントンは、ダウンタウンに黒人暴動による焼け跡が目立った。治安が悪く、白人は郊外に逃げ、黒人の町と化していた。一方、フランスはどうか。300万人の失業者、失業率10.4%、求人希望が5万人以上のレストランで「朝早く、夜遅い職場には人が集まらない。」と店長が嘆く。フランスの株価は4000ポイントを超えて上向きだが、足元の景気は悪い。来年もフランスの景気が良くなる期待は全くない。オランド大統領が「具体的な対策はなにもない。」と街頭で失業中という主婦に答え、逃げるようにその場を離れる様子をフランスF2はテレビ画面にしていた。

8月6日付けWSJ紙電子版は「日本の原発、放射能汚染水と格闘」と題して、MariIwata,
PhredDvorak両記者は「破壊された原子炉冷却のために毎日400トンの水がたまる。地下水の水位が上がり、放射能汚染水が海に漏れ出していたと東電が認めた。今後、監視を強化しこれ以上の漏れを防ぐために全力を尽くす。地下水に流れ出した汚染水を止める為万全の態勢で臨むと東電は話した。ただ「土壌凍結で漏水を止めることは可能だが、壁を作るなどの費用が莫大だ。汚染水が海に流れ出さない保証は全くない」と専門家は指摘した。原子力規制委員会、田中委員長は「東電は全ての汚染水を制御できないと認めるべきだ」と語った。相馬双葉漁業組合、KuzunoriEndo理事は「消費者がフクシマの魚を拒否すればどうしてくれるのか。困ったことになってしまった。」と話したと書いていた。

中国CCTVは朝6時台放送で「8月6日、広島原爆忌68周年式典が開かれた。7万人が被曝で、あと3万人以上が後遺症でなくなった。安倍首相は核のない世界実現を訴えた。その一方で、安倍首相は、自ら先頭に立って、世界に原発を売りこんでいる。」と解説していた。ドイツZDFも原発忌の様子を伝えていた。6日夜の番組でNHKは特集を組んで原爆による放射能が遺伝子に与える深刻な影響を時間を割いて流していた。フクシマ原発事故から2年強経過後も放射能汚染を風評被害で片づけようとする風潮はむしろ強まっている。

6日のNY市場は、エヴァンス、シカゴ連銀総裁など米FRB高官による金融緩和縮小が9月からはじまることを回避できないとの発言を受けて、NYダウは前日比93ドル安、15,518ドルで取引を終えたとKaitlynKeiernan記者が書いていた。NY原油（WTI）はバレル1.2%安、105.30ドル、NY金はオンス1.5%安、1,283.20ドルで取引された。NY外国為替市場ではドルが対円、対ユーロ共に売られ、1ドル=97.67~69円、1ユーロ＝129.98~130.04円だった。一方、米国務省は、テロ攻撃警報を受け米国人のイエメンからの即時撤退を勧告した。中東、北アフリカ政府公館を一時閉鎖すると発表した。きな臭い動きが出て来た。（了）