米経済指標好感、NYダウ66ドル高、ドル買い進み、ＮＹ為替、1ドル＝98.77円

（学校で教えてくれない経済学）


8月23日は旧暦で処暑。暑さが収まることを意味する。夏の甲子園が終われば、秋の訪れが早いと関西では昔からよく言われる。連日の猛暑だから、果たして今年はどうか。イチロー選手の日米通算4000本安打達成も嬉しいニュースだったが、甲子園関連では、95回記念大会で優勝した前橋育英高の荒井直樹監督（49）の試合後のインタビューの言葉が印象に残った。「甲子園入り後も選手に毎朝、散歩でゴミを拾わせた。ゴミを見つけるのは試合で相手の変化に気づくことにつながるだけでない。本人自身がゴミを捨てなくなる。社会に出れば野球の実績は関係がなくなる。心は一生ものです。」と語ったと23日付け、読売朝刊「顔」欄で紹介していた。

大阪の割烹ホテルで勤める知人と昨日、夕食を共にする機会があった。「韓国からの日本ツアの添乗員の一人が、フクシマ原発の汚染水が海に流れ出ていたことが連日テレビで報道されている。桜島の大噴火のニュースもあった。日本を訪れる韓国人観光客が昨年比大幅に増えていたがここ数日キャンセルが相次ぎ頭を抱えている。特にフクシマ汚染水のニュースがエスカレートすることを深刻に心配していると話していた。」と紹介してくれた。日本に居て、エジプトでの騒乱のニュースを見ていると、エジプト全土が騒乱に巻き込まれていると誤解する。エジプトへの日本からの観光客が減ったことを考えれば分かり易い。

フクシマの汚染水は毎日、25メートルプール一杯分だと22日付けの毎日朝刊に出ていた。日本では安易にゴミを捨てる人が後を絶たない。高濃度放射能汚染水を海に流すと東電の広報担当者はこともなげにおっしゃる。原子炉のゴミをタバコのポイ捨て感覚で見ておられるのではないかとついつい考えてしまう。熱を持った原子炉冷却に毎日300トンの汚染水が新たに生れる。東電は浄化して循環させていると言う。信用を一度失うとゼロを掛けるようななものだとよく言われる。東電の説明を誰も信用しなくなった。日本でそうだから外国それも特にお隣の韓国の人から見れば危なくて日本観光どころでないと思うだろう。

一方、22日、NY市場ではNYダウが前日比66ドル高、14,963ドルと7営業日ぶりで値上がりした。NY外国為替市場では、ドルが買われ、1ドル＝98.76~77円、1ユーロ＝131.93~95円で取引された。NY原油（WTI）は、前日比1.2%高、バレル105.10ドル、NY金相場は前日比0.3%高、トロイオンス1,374.60ドルだった。NY債券市場では債券が売られ、10年物米国債利回りは2.896%へ上昇した。ワ―ルドWaveMorning「経済情報」出演の大和証券CMA,シュナイダ―恵子氏は「中国、欧州の経済データが予想外に良かった。FRBによる金融緩和縮小懸念も相場に徐々に織り込まれて来た。6営業日連続で下げていた。新規失業保険申請件数が5年振りの低水準だった。一方、米FRBの量的緩和縮小の流れから、開発途上国から米本国へ資金流失が進んでいる。インド・ルピアが下げ止まらない。長期金利急騰を受けて住宅買い戻しにブレーキがかかる。ウエルズ・ファ－ゴが2,300人の人員削減を発表した。」と話していた。トンボの目で物を見ることが求められる。（了）