関西老舗輸送機器メーカーS社株主総会風景
江嵜企画代表・Ken
大正9年(1920)創業の宝塚市本社の輸送機器メーカーS社の株主総会が25日午前10時からあり
楽しみにして出かけた。業績好調のせいか気持ち来場者が多かった。最近一般紙にもインド向けの
飛行艇の商談が進む可能性があると伝えられており、誰か質問があると思いきや一人もなし。
議長がご質問がないようですから採決に移らせていただきますといった直後に白髪の紳士が
やおら手を挙げ、10分近く持論を展開した。当総会を総括する内容だったので概要を紹介する。
「立派な決算です。特筆すべきは受注2000億、売上1,700億は初めてと思う。中身を見ると、航空機
20%、特装車45%,一般産業機械30%である。航空機と特装車が好調の間に一般産業機械を全社一丸と
なって伸ばしてほしい」と口火をきった。
もうひとつ云わせていただくと、儲けの元の特装車のお蔭で営業利益率が6.2%、過去最高。欧米では
当たり前だが、日本の製造業では特筆すべきことだ。今後も継続してほしい。ただ原価率が80%と
高いように思う。これはさげなければならない。是非メスを入れてほしい。
最後に特別配当2円、普通10円で計12円。結構なことだが、特別を外して普通で12円にしてほしい。
配当が増えれば株価にも反映する。株価も1000円台に乗せてほしい。1000円台の株価の企業では
12円は少ない。上を目指してほしいと話して席に着いた。
だまって話を聞いておられた議長(大西良弘社長)は「貴重なご意見を賜りありがとうございました。
今後の事業経営に生かしていきたい。」と丁重に挨拶。あらかじめ用意された議案採決に移り、異議なく
了承され散会となった。
会場の様子をいつものようにスケッチした。前の席にはあまり見かけなかったが、後ろの席にはご婦人の
姿も多くみられた。この日のお土産はElberunのクッキーと1/300の飛行艇のプラモデルだった。
インド、モディ首相が7月来日予定である。インドとの飛行艇の商談がまとまれば改めてS社が
話題になるかもしれない。(了)