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ギリシャ、ロシア会談でEUの経済制裁を揺さぶる、シエルによる大型統合も足元の原油在庫増でWTI値下り

2015-04-09 11:30:22 | 経済学
(学校で教えてくれない7経済学)


「ロイヤル・ダッチ・シエルが英BGグループを現金と株式併せて470億ポンド(約8兆3,800億円)で買収することで合意した。統合後の新会社の時価総額は競合する英BPや米シェブロンの2倍になる。シェルは生産拡大に向けて苦しんでいる。買収を通じて石油・天然ガス埋蔵量が28%増え,液化天然ガス(LNG)業界の一角に地位を築いた経営陣も獲得することになる」と8日付ブルームバーグ電子版でJoeCarroll記者が書いた。9日朝放送のNHK/BS「ワールドニュース」で英BBCは英総選挙に関連してカメロン保守党とミリバンド労働党首の非難合戦過熱を伝えた後、ダッチ・シエルによる大型買収ニュースを詳しく紹介、レポートの結びに「1980年代、今回のような大型買収が盛んだった。米エクソンモービルも英BPも当時の大型買収を経て今日がある。」と指摘、「世界人口の増加、特に中国需要拡大を念頭に2035年までのエネルギー事情を見据えた動きである。」と解説していた。
石油エネルギーをめぐる大型買収のニュースも8日のNY原油相場には連動せず、米石油在庫増加を材料にWTI先物相場はバレル50.42ドルへ3ドル53セント安と大幅値下がりした。NY金もオンス1,203.10ドルへ反落した。

一方ドイツZDFは9日朝放送トップでギリシャ、ツィプラス首相がモスクワを訪問、ロシア、プーチン大統領との会見の様子を「プーチン大統領はツィプラス首相をまるで昔からの友人であるかのように出迎えた。ツィプラス首相がノーネクタイで会談したことにもそれが表れている。ロシアにとってもギリシャにとっても今が一番のタイミングと考えての行動だろう。」と紹介し「ツィプラス首相はロシアとの友好関係を盛んにアッピールした。しかし、プーチン大統領は「ギリシャはロシアに支援は求めていない。」と述べた。一方、ヨーロッパ議会、シュルツ議長はツィプラス・プーチン会談にいらだちを見せた。ドイツZDFの記者は「今回の会談ではギリシャは農業・エネルギー分野でのロシアの支援を取り付けることが目的だった。経済制裁を受けている立場はロシアとギリシャは同じである。ロシアの政策を明らかに示す場所としてプーチン大統領は利用した。」と総括していた。

8日にはFRB(米連邦準備制度理事会)が、3月17~18日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録を公開した。同議事録によれば6月利上げにメンバーで意見が分かれていたことが分かった。しかし、FOMCの会合はその後発表された悪い米雇用統計の数日前だった。議事録公表直後、NYダウは一時的に下げたが、過ぎ去った過去の出来事として、あと値を戻し、NYダウは前日比27ドル高、17,902ドルで取引を終えた。NY外為市場ではFOMC議事録公表後ドルが下げる場面があったが後戻し、1ドル=120.14~16円、1ユーロ=129.54~59円で取引された。FOMC議事録では数人が6月利上げを主張したが、利上げは年後半が適切との意見と引き締めが適切となる経済情勢は2016年まで訪れないと主張した委員が2人いたと8日付のブルームバーグでRachelEvans記者が書いていた。

日々の雑事に追われることなくシエルによる大型買収の動きにも目配りが大切だろう。(了)

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