画像クリックで「FATの検証計画」
きょうの臨床実践塾では、いろいろな実験をしながら講習をおこないますので、何日も前から、参加者の驚く顔を想像してニヤニヤしていました。
きょうの臨床実践塾に参加するために、昨日群馬から来られた方がいまして、たまたま当院の患者さんの臨床を見てもらうことができました。
その患者さんは、当院に来はじめてから10年ほどになる方で、「遠方から来ている方がいるので、ちょっとだけ臨床を見せてもいいですか?」と聞いたところ、「いいですよ」とすぐに快諾してもらいました。
そして臨床を見てもらったのですが、胡坐で座り、両膝を開くと、右の股関節が痛くて開きにくかったのですが、座位のまま仙腸関節部に手を当てて、FATを行ない、
「はい。さっきみたいに動かしてみて!」と言うと、胡坐をかいて両膝を押さえて、軽く動くものですから、
「何したんですかァー!」と私の顔をみながら大きな声で叫んでいました。
出産したばかりの若い女性ですので、群馬から来た方も、私の顔をみて、今にも口を押えるのではないかというような驚きの顔をしていました。
すると、傍に立っていた女性スタッフが、ニヤッと笑いながら、
「わからないんですよ」と言っていました。
なぜスタッフが、そのようなことを言うのかというと、実はスタッフにもその真髄は教えてないのです。
教えてないというより、中途半端に教えて失敗させたくなかったのです。
一つの治療法を学ぶのには順序があります。
その順序を踏まずに、「この病気にはこのツボ」方式で覚えてしまうと、行き詰ったときに解決できずに、また他の治療法に手を出してしまい、なにもかもが中途半端になってしまう場合が多いからです。
ですから理論を教え、理論に沿った実技を教え、なぜそうなるのかを理解してもらい、行き詰ったときの解決法まで知ってもらうというのが、僕の教え方に対する考え方なのです。