もしも肝臓が傷んだら
この絵は持論の『経筋腱収縮牽引理論』で、これも詳しくは 『人体惑星試論奥義書』 に書いたものです。
解説はホームページの 「経筋腱収縮牽引理論による診断」 をご覧ください。
外反母趾で痛みが出るのは、足の親指の内側で、そこには経絡でいう「脾経」が通っていますので、脾経の病と思いがちです。
それは、「病は経絡上に現れる」という表現があるからだと思いますが、それは東洋医学的な考え方です。
症状が現れる場合は、現代医学的所見と東洋医学的所見があり、全てが現代医学的と考えたり、全てが東洋医学的を考えたりするのは、治療を長引かせたり、治せなかったりする可能性が高くなります。
ちょっと解剖を見てみましょう。
この母趾内転筋は、二頭筋で、二股に別れ、それぞれ縦アーチ、横アーチを作るのにも貢献しています。
そして母趾を内転する作用を基本として、母指が外転、外反するのを防いでいます。つまり、外反母趾を防ぐ働きをしているわけです。
この筋肉は深層筋ですので、直接の触診は不可能ですが、母指の内転方向に力を入れた場合に、足のアーチが形成され、縦方向及び横方向に膨らむ筋腹を確認することが出来ます。
お分かりになったでしょうか。
外反母趾が出るのは、解剖学的には母指内転筋が大きく関わっているのです。
しかも、その母指内転筋の位置を経絡で観ると、「肝経」になるのです。
ですから、脾経で治療するよりも肝経で治療した方がいいのです。
さて、なぜ、外反母趾になるのかと言うことですが、それは上のイラストやホームページの「経筋腱収縮牽引の原理」で説明するように、大元が肝臓にあると考えている分けです。
ですから、外反母趾が痛んでいるときに(痛んでいるときに治療院にわる方はあまりいませんが)、肝経や肝臓部への治療で痛みを治めることができるのです。
脾経では治められないのも特徴と言っていいと思います。
理由は、肝臓や腎臓は硬くなる臓器ですが、脾臓膵臓は緩む臓器だからです。
つまり、肝硬変とか腎硬化症というのはあるのですが、脾臓や膵臓にはそのような硬くなるイメージの病名はないはずです。
最近、久しぶりにクラニオセイクラル・オステオパシーの講習を受けてきましたが、そこで効果的は外反母趾の痛みの治め方のヒントを得て来ました。
指を当てておくだけです。(笑)
怒らないでくださいね。
ほんとのことですから。
こんなことで人の筋肉は動くのです。
それがオステオパシーの面白いところで、最近ではオステオパシーの手法を使った治療法が多くなってきました。
ただ、エネルギー療法と一緒で、「戻りやすい」という欠点はありますので、そこに鍼灸をプラスすることで再発率を下げていくわけです。
しかし、外反母趾の場合は、外部から行なう治療だけでは治せない可能性があります。
理由は「経筋腱収縮牽引」の原理で考えてみてください。